1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07301013
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Research Category |
Grant-in-Aid for Co-operative Research (A)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
堀 忠雄 広島大学, 総合科学部, 教授 (10020132)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 光緒 広島大学, 総合科学部, 講師 (00238130)
福田 一彦 福島大学, 教育学部, 助教授 (20192726)
石原 金由 ノートルダム清心女子大学, 家政学部, 助教授 (80159756)
白川 修一郎 国立精神, 神経センター精神保健所・老人精神保健部, 室長 (20100141)
宮下 彰夫 (財)東京都神経科学総合研究所, 心理学研究室, 副参事研究員 (70100146)
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Keywords | 睡眠・覚醒 / 睡眠生活調査 / 幼年期の睡眠 / 睡眠問題 / 児童期の睡眠 / 青年期の睡眠 / 成人期の睡眠 / 老年期の睡眠 |
Research Abstract |
平成7年度の研究成果は以下の通りである。(1)宮下(東京都神経科学総合研究所)は首都圏の大学生の実態を約3000人の大学生を対象に検討した。(2)白川(国立精神神経センター)は中高年の勤労者と65歳以上の老人を対象に、10年刻みの年齢幅でそれぞれ100以上の標本を用いて横断的な研究を進めた。(3)石原(ノートルダム清心女子大学)は幼稚園・小学校・中学校の児童・生徒を対象に、各学年100人以上の標本から児童期と前青年期の区分と睡眠問題の発生率の変化を検討した。(4)福田(福島大学)は乳幼児・幼稚園児・小学生を対象に幼年期の睡眠生活実態と睡眠問題の発生率を検討した。(5)堀と林(広島大学)は高工専が5年間一貫教育であることに着目し、青年期の睡眠像の推移を5年間の追跡データから検討した。また、宮下の首都圏の大学生と比較するために、地方都市近郊(東広島市)の大学生の生活実態を約1000人を対象に検討した。5施設合同の研究集会(1996.1.6-7:グリーンピア安浦、広島)を開催し、睡眠習慣の実態と睡眠問題の発達的変化についてのワークショップを行った。その結果、成書に記載されている10年以上前のデータは、ここ2-3年のデータと明らかに異なり、(1)現代人の睡眠短縮、(2)宵っ張りに朝寝坊(睡眠位相後退)、(3)睡眠不満の増大等が小学校高学年以上のどの年齢にもみとめられ、睡眠問題が広範な年齢帯で深刻化していることが分かった。また、日中の眠気は(4)前青年期(小学校高学年)から始まり、これは(5)日常的睡眠不足とは必ずしも対応しないが、(6)強い眠気の他、不眠傾向、睡眠位相後退、リズム障害(不規則・不安定)などの睡眠問題を持つ者の割合は、高校生以上で各年齢の2-5%を占めることが分かった。我が国では昼寝の習慣は忌避すべきという考えが強いが、(7)昼寝の習慣を持つ老人には、成人病の罹患率が低いことが分かり、午後の眠気に対する対処方略として昼寝の有効性が指摘された。
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