1996 Fiscal Year Annual Research Report
『鮫島尚信在欧書簡集』の解読を中心とする近代日本外交形成過程の実証的研究
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07301042
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Research Institution | Kagoshima Immaculate Heart University |
Principal Investigator |
犬塚 孝明 鹿児島純心女子大学, 国際言語文化学部, 教授 (80269141)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中林 隆明 国立国会図書館, 図書館研究所, 所長
横山 俊夫 京都大学, 人文科学研究所, 助教授 (40027553)
松田 清 京都大学, 総合人間学部, 教授 (40027561)
三間 晶生 鹿児島純心女子大学, 国際言語文化学部, 助教授 (60166105)
荒井 聰子 鹿児島純心女子大学, 国際言語文化学部, 学長 (70159482)
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Keywords | 鮫島尚信在欧書簡集 / 在外公館の外交実務形成 / 西洋近代制度の移入 / 明治初年の対ヨーロッパ外交 / 外交文書の作成 |
Research Abstract |
1.『鮫島尚信在欧書簡集』の全書簡(英文94通・仏文349通)について、その翻刻(ワープロ化)と翻訳作業を完了し、完全原稿をベースに内容分析と事項整理もほぼ予定通りに実施することができた。 2.平成8年10月4日・5日の両日にわたり京都大学で全研究分担者による合同会議を実施しまた、平成9年1月31日・2月1日の両日にわたり鹿児島純心女子大学で今年度2回目の合同会議を実施、翻刻、翻訳両原稿の最終調整,学旬統一を行ない、かつ内容分析の報告と研究発表を実施した。文部省の助成金を得て研究成果を公刊することで合意した。 3.研究代表者である犬塚が平成8年8月27日から9月6日まで、イギリス及びフランスに出張し、研究成果の一部をロンドン大学ユニヴァーシティ・カレッジのホワイト教授,フランス外務省外交文書館歴史部長コンスタン女史に提示して,専門的見地から多くのアドヴァイス並にレヴュ-を受けることができた。帰国後、コンスタン女史から書簡のオリジナル文書発見の報告、及びその複写本の提供を受けたことは、研究進展にとって多大の効果があった。 4.国内関係史料として前年度にマイクロ化した国立国会図書館憲政資料室所蔵の「鮫島尚信関係文書」の全文コピー化により、岩倉使節団文書(マイクロ版)と英国国立公文書館文書(マイクロ版、新規購入)との比較検討が容易に行なえるようになった。 全書簡の翻刻と翻訳を完了したことにより、明治初年における近代日本の外交実務の実態がきわめて明瞭になった。分析結果の一部は、犬塚が平成8年6月9日,明治維新史学会で「明治初年在外公館における外交実務の形成-『鮫島尚信在欧書簡集』と"Diplomutic Guide"を中心に-」と題して口頭発表し,学界での感心を集めることに成功した。
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