1997 Fiscal Year Annual Research Report
中・近世移行期の西国と東国における検地と村落に関する比較研究
Project/Area Number |
07301073
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Research Institution | Sizuoka University |
Principal Investigator |
本多 隆成 静岡大学, 人文学部, 教授 (20022288)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水本 邦彦 京都府立大学, 文学部, 教授 (60108363)
田中 誠二 山口大学, 人文学部, 教授 (80116730)
池上 裕子 成蹊大学, 文学部, 教授 (70232171)
池 享 一橋大学, 経済学部, 教授 (20134885)
有光 友学 横浜国立大学, 教育人間科学部, 教授 (80018019)
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Keywords | 検地 / 村落 / 戦国大名 / 織豊政権 / 幕藩体制 / 貫高制 / 石高制 / 兵農分離 |
Research Abstract |
日本封建制の理解に関して,中世と近世とのいわゆる「断絶」を意識した段階論よりも,近年は「連続性」に重点をおいた移行論が盛んになっている。このような研究動向をふまえて,本研究ではこの問題を,第1に検地と村落にかかわる問題に焦点をしぼって追究すること,第2に中世から近世にかけて一貫して問題を追究すること,第3に西国(畿内を含む)と東国(東海を含む)との地域的特質の比較・検討を通じて課題に迫ること,を目的としている。 この目的を達成するために,個々のメンバーによる資料収集や調査・研究に加えて,研究計画の中では,研究成果の報告と全体討論を重視して進めてきた。特に,7月30日から8月1日にかけて開催された研究会では,科研費メンバーによる研究成果の発表のみならず,その他の多くの研究者からも研究報告がなされた。 この研究会で発表された内容は,織田信長政権下の知行関係や指出,歩刈に関する間竿の長さと条間・株間との関係,越後太子堂村の検地帳,近世前期上州の検地と年貢収取,近世の「免」についてなどであり,ほとんどが研究課題に直接かかわるもので,いずれも充実した内容であった。また討論では,検地や年貢の間題を中心に,地域的な差異をも含めて活発な議論が交わされ,目的達成に大きく貫献するものとなった。 さらに,今年度は科研費の交付をうけた最終年度にあたるため科研費メンバー14名中11名の参加を得て,研究成果報告書の作成を進めている。また,他方で科研費メンバー以外の参加者も募り,来年度には論文集の刊行を計画している。それらの成果によって,研究課題は多方面から深められることになるが,できるだけそれらに直接あたって活用していただきたいと願っている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 市村高男: "中世領主間の身分と遺構・遺物の格-戦国期の書札礼の世界から見た若干の提言-" 帝京大学山梨文化財研究所研究報告. 第8集. 373-396 (1997)
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[Publications] 秋山伸隆: "室町・戦国期における安芸・右見交通" 史学研究. 218号. 1-15 (1997)
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[Publications] 藤田達生: "村の侍と兵農分離(上)(下)-伊賀の事例を中心に-" 人民の歴史学. 133, 134号. 1-10, 22-32 (1997)
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[Publications] 池 享: "「戦国」とは何か" 歴史評論. 572号. 2-15 (1997)
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[Publications] 池上裕子: "戦国期北信の武士と上杉氏の支配" 市誌研究ながの. 5号. 47-75 (1998)