1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07304033
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 勝彦 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (00111914)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 順一 京都大学, 基礎物理学研究所, 助教授 (50212303)
須藤 靖 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (20206569)
杉山 直 京都大学, 大学院理学研究科, 助教授 (70222057)
小玉 英雄 京都大学, 基礎物理学研究所, 教授 (40161947)
佐々木 節 大阪大学, 大学院理学研究科, 教授 (70162386)
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Keywords | 宇宙定数 / インフレーション / 宇宙背景輻射 / 大規模構造 / 銀河の化学進化 / 重力レンズ / ドジッター時空 / 宇宙年令 |
Research Abstract |
宇宙の光度密度と宇宙定数 近年系統的に高赤方偏移領域での銀河の光度分布、星形成率の探査が行われるようになって来た。戸谷、吉井とともに、カナダフランス赤方偏移探査のデータを銀河のスペクトルを説明することのできる最もらしい銀河進化のモデル、有本吉井モデルから予想される理論的進化計算との比較を行った。その結果きわめて高い確率で宇宙定数が存在する宇宙のモデルが観測と一致することを見出した。95%の確かさで無次元宇宙定数は0.41以上、また通常の平坦なアインシュタイン・ドシッタモデルは99%で除外されるとの結果が導かれた。さらに高赤方偏移領域での観測と比較するならば、銀河進化のモデルとしては、ガスが降着しつづけるモデルが星形成率の探査とよく一致することが分かった。また楕円銀河の形成時期はかなり高赤方偏移領域(〜4)であることが好ましいことが分かった。楕円銀河形成時に放出される紫外線は宇宙をイオン化するに適量であるだけでなく、合成された金属元素が銀河間空間に放出されるならば、QSOの吸収線から得られる観測量を説明し得る。。 過去の超新星からのニュートリノ背景放射 ス-パカミコカンデの観測開始により、近い将来過去の超新星から放出されたニュートリノ宇宙背景放射が観測される可能性がでてきた。戸谷、吉井とともに、現在最もらしい銀河進化モデルを用い、背景ニュートリノのスペクトルを子細に調べた。また宇宙のパラメータ依存性も調べた。フラックスの値はハップル定数にかなりよるが、宇宙定数にたいする依存性は弱く、同じ平坦な宇宙の場合、宇宙定数が存在する宇宙でのフラックスはやや小さくなることが分かった。 元素合成 ビックバン元素合成は宇宙のバリオン密度良き指針である。近年軽元素の観測が観測技術の進歩に伴い、最近の観測の結果、特に観測家の示すような厳しい誤差範囲を信ずるならば、もっとも単純なビックバン元素合成の理論は観測と矛盾が生じる。ビックバンの危機と呼ぶ研究者もいる。最近、宇宙のレプトン数が非対称である宇宙での元素合成を、理論の誤差をモンテカルロ計算によって統計的に評価しながら調べた。その結果、現在の観測値をもっとも説明できる量は、ニュートリノの縮退パラメータが0.43±0.040、またバリオン密度パラメータが、0.015+0.006-0.003であることが95%の確かさでいえることがわかった。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 戸谷 友則: "Effects of neutrino oscillation on the Supernova Relic" International Journal Modern Physics D. 5. 519-527 (1996)
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[Publications] 佐々木 節: "Can the Simplest Two-Field Model of Open Infation Survive?" Physical Review D. 54. 4705-4708 (1996)
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[Publications] 小玉 英雄: "Evolution of Casnological Perturbation in a Stage" Progress of Thoretical Physics. 96. 949-970 (1996)
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[Publications] 川崎 雅裕: "Constraint on the Reheating Temperature" Physics Letters. B370. 52-58 (1996)
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[Publications] 須藤 靖: "The X-ray halo of the Local Group" The Astrophysical Journal. 461. L33-L36 (1996)
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[Publications] 川崎 雅裕: "Isocurvature and Adiabatic Fluctuations of Axion" Physical Review D. 54. 2442-2446 (1996)
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[Publications] 佐藤 勝彦: "相対性理論" 岩波書店, 222 (1996)
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[Publications] 小玉 英雄: "相対性理論" 培風館, 315 (1997)