1996 Fiscal Year Annual Research Report
日本列島のジュラ紀-古第三紀付可体形成における緑色岩の意義
Project/Area Number |
07304039
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Section | 総合 |
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
宮下 純夫 新潟大学, 理学部, 助教授 (60200169)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榊原 正幸 愛媛大学, 理学部, 助教授 (80202084)
荒井 章司 金沢大学, 理学部, 教授 (20107684)
君波 和雄 山口大学, 理学部, 教授 (20127757)
松岡 篤 新潟大学, 理学部, 助教授 (00183947)
豊島 剛志 新潟大学, 理学部, 助教授 (10227655)
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Keywords | 付加体 / 緑色岩 / オフィオライト / 日本列島 / ジュラ紀-古第三紀 |
Research Abstract |
本研究も2年目に入り,各分野で着実に研究が進行している.主な成果の概要は以下のとうりである.その第一は,従来典型的なMORBと見なされ,海嶺起源と思われていた空知-エゾ帯の緑色岩の多くが,海台玄武岩に類似した岩石学的特徴を示すことが明瞭となってきた.これらは主要成分のいくつかでMORBと類似しているものの,TiO2-FeO^*/MgO図ではIATとMORBとの中間的な性格を有することや,P,Zr,Ti,Yなどのインコンパチブル元素においてMORBよりも枯渇していること,一方NbはMORBとほぼ同一の濃度を有していることなどが明らかとなってきた. また,詳細な野外調査の進行の中で,チャートと玄武岩類の間に,貫入関係が存在している例があることが多くの場所で確認された.このことは,その玄武岩の生成場が海嶺ではなく,深海底堆積物がある程度形成された後に火成活動が開始されたこと,つまり,ホットスポットや海台玄武岩の活動の初期段階ないしフィーダーを示すものと思われ,緑色岩の生成場と生成時期を考えるうえで,重要な意義があると思われる. 海嶺衝突に関連したと考えられる砂泥質堆積岩と玄武岩類との関係では,両者の間の相互反応についての解析が進行しており,玄武岩類と接触する付近の砂泥質堆積岩は,K2OやRbなどが著しく除去されるとともに,SiO2やCaOが付加されていることが明らかとなってきた.こうした特異な産状をより詳細に検討するために,変動をあまり被っていない第三紀の玄武岩貫入岩と周囲の堆積岩との解析も進行している. 以上の様に,予定していた様々な側面からの研究が着実に進められている.
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[Publications] 宮下純夫,新井孝志,他: "日高帯の緑色岩の意義-海嶺の多重衝突" 地質学論集. 46(印刷中). (1997)
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[Publications] 塩谷由美,新井田清信: "幌満かんらん岩体の苦鉄質岩層の成因" 地質学論集. 46(印刷中). (1997)
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[Publications] 鈴木理裕,新井田清信: "奥新冠かんらん岩体:オフィオライト質最上部マントルダナイト" 地質学論集. 46(印刷中). (1997)
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[Publications] Miyashita,S. et al.: "Geology of the Nipesotsu greenrock complex-the largest greenrock complex in the northern Hidaka belt, Hokkaido, Japan" Jour. Geol. Soc. Japan. 103(印刷中). (1997)
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[Publications] 王長龍,前川寛和: "紀伊半島北西部三波川変成帯の曹長石-黒雲母帯" 岩石・鉱物・鉱床学会誌. 92(印刷中). (1997)
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[Publications] 豊島剛志,小松正幸,他: "日高変成帯の形成テクトニクス" 地質学論集. 46(印刷中). (1997)