インバース・マニュファクチャリング実現のための基礎研究

1996 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 07305005
• Research Institution: THE UNIVERSITY OF TOKYO
• Principal Investigator: 木村 文彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (60133104)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 田中 信寿 北海道大学, 工学部, 教授 (90133701) ; 馬場 靖憲 東京大学, 人工物工学研究センター, 助教授 (80238229) ; 須賀 唯知 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (40175401) ; 冨山 哲男 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (60197944) ; 梅田 靖 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (40242086)
• Keywords: インバース・マニュファクチャリング / ライフサイクル設計 / LCA / Soft Artifacts / 環境問題 / Green Browser / マイクロ・ディスアセンブリ / 閉ループ型ライフサイクルシステム

Research Abstract

インバース・マニュファクチャリングの目的は、資源・エネルギーの使用量、廃棄物、および、環境負荷を最少化するような、循環型製品ライフサイクル・システム(これをインバース・マニュファクチャリングシステムと呼ぶ)を実現することにある。特に本研究は、インバース・マニュファクチャリングシステムの基本的考え方を技術的、経済的、政策的側面から総合的に検討し、その基礎理論の整理と今後の課題を明らかにすることを目的とした。
インバース・マニュファクチャリングの考え方として、
1.リサイクルではなく、リユ-スを中心とした循環型製品ライフサイクルの実現
2.製品の量によるのではなく、製品機能により社会的要求を充足する「量的充足から質的充足へ(dematerialization)」の二つの重要性が明らかとなった。
また、「インバース・マニュファクチャリングの基本的枠組とその経済・政策的議論」、「ライフサイクル設計」、「インバース・マニュファクチャリングのためのプロセス技術」、「社会・文化的評価」の四つの視点からこの基本的な考え方を検討した。結果として、インバース・マニュファクチャリングの基本的な考え方は整理できた。また、これを実現するための要素技術はかなり存在する、もしくは、開発可能であることが明らかになった。我々は本研究を通じて、これら要素技術を使用して、基本的な考え方を実現するような、製品ライフサイクルのシステム化技術の方向性(例えば、ライフサイクル設計)を提案できたと考えている。一方で充分に検討できなかった課題は、「評価」とインバース・マニュファクチャリングシステムを実装する「社会システム」であり、これらの問題を解決し、インバース・マニュファクチャリングシステムを現実化するシナリオを構築することが今後の課題である。

Research Products

• [Publications] 梅田靖・冨山哲男: "人工物のライフサイクル設計" シュミレーション. 15・1. 32-40 (1996)
• [Publications] 木村文彦: "インバース・マニュファクチャリングのためのライフサイクルモデリング" 第1回エレクトロニクスにおける環境技術シンポジウム論文集. 9-12 (1996)
• [Publications] 馬場靖憲 他: "グリーンライフサイクル設計方法論の研究(環境問題に対する脱領域的アプローチ)" 第1回エレクトロニクスにおける環境技術シンポジウム論文集. 123-128 (1996)
• [Publications] 須賀唯知 他: "分離を前是とした接合:可逆的インターコネクション" 第1回エレクトロニクスにおける環境技術シンポジウム論文集. 139-142 (1996)
• [Publications] 冨山哲男,梅田靖: "地球環境問題と産業システムのパラダイムシフト" 第1回エレクトロニクスにおける環境技術シンポジウム論文集. 175-180 (1996)
• [Publications] 梅田靖 他: "ポスト大量生産パラダイムの実現可能性の研究" 第1回エレクトロニクスにおける環境技術シンポジウム論文集. 181-184 (1996)
• [Publications] 馬場靖憲 他: "インターネットを利用したグリーンブラウザの研究" 第1回エレクトロニクスにおける環境技術シンポジウム論文集. 185-188 (1996)
• [Publications] K,-L.Krause and H.Jansen(編): "Life Cycle Modelling for Innovative Products and Processes(本研究代表者,分担者の論文3件を掲載)" Chapman & Hall, 605 (1995)
• [Publications] T.Tomiyama et al.(編): "Elements of Environmentally-conscious Design and Manufacturing;A Japanese,European and American Perspective(本研究代表者,分担者の論文5件を掲載)" MIT Press(出版準備中),