1996 Fiscal Year Annual Research Report
塑性変形能を合理的に考慮に入れたRC構造物の耐震設計法に関する総合的研究
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07305015
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
町田 篤彦 埼玉大学, 工学部, 教授 (50008869)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 多門 北海道大学, 工学部, 助教授 (00151796)
島 弘 徳島大学, 工学部, 助教授 (00196461)
丸山 久一 長岡技術科学大学, 建設系, 教授 (30126479)
檜貝 勇 山梨大学, 工学部, 教授 (70115319)
山崎 淳 日本大学, 理工学部, 教授 (80111475)
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Keywords | 鉄筋コンクリート構造物 / 耐震設計法 / 塑性変形能 / 曲げ靱性率評価式 / 曲率靱性率 / 曲げ降伏後のせん断破壊 / 軸鉄筋の座屈 / FEMによる非線形応答解析 |
Research Abstract |
RC部材の塑性変形能につき、既往の文献調査、載荷実験、解析などによって研究した結果、以下の成果を得ることができた。これらの成果は、これを既往の設計システムに取り込むことにより、鉄筋コンクリート構造物の耐震設計を従来に増して合理的に行うことを可能にするものである。 1.「せん断補強鉄筋によってもたらされる靱性率とそれ以外によってもたらされる靱性率は互いに独立である」との仮定を設けて、従来の研究成果を詳細に分析し、鉄筋コンクリート部材の変位靱性率評価式を得た。この評価式は、曲げ降伏後にせん断破壊する場合に適用性がよいものである。 2.鉄筋コクリート部材の塑性域での挙動を有限要素法で解析するプログラムを作成して解析を重ねた結果、実地震波を受ける場合の変位靱性率は、正負交番荷重を受けうる場合と相違するばかりでなく、地震波の特徴によっても無視し得ない影響を受けることが明らかとなった。 3.せん断補強鉄筋を曲げ降伏後のせん断破壊の領域を超えて配置した場合のRC部材の変形を、躯体部の変形、塑性ヒンジ部の変形、鉄筋抜け出しの変形に分けて評価することにより、変位靱性率を曲率靱性率に変換することができる。この場合の解析には、軸方向鉄筋の座屈を考慮したモデルを用いることが重要である。 4.RC部材の断面のモーメント一曲率関係、幾何非線刑たわみ計算および振動応答を解析するプログラムを作成した。これらは、例えば、鉄筋コンクリート橋脚の耐震性を実証的に評価することが可能なものである。
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[Publications] Khairy Hassan A.: "Role of Transverse Rcinforcement on Ductility and Failure Mode of RC Bridge Piers Subjected to Earthquake Motion" 第19回コンクリート工学年次論文報告集. 18(発表予定). (1997)
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[Publications] Machida, Atsuhiko: "Influence of Input Motion Characteristics on Inelastic Behavior of RC Piers of Bridges -A Three Dimentional Finite Element Approach-" コンクリート工学論文集. 18(発表予定). (1997)
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[Publications] 橋本伸一: "繰り返し荷重を受けるRCはり断面のせん断変形挙動に関する研究" 第18回コンクリート工学年次論文報告集. 18・2. 641-646 (1996)
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[Publications] 水野要: "繰り返し荷重を受けせん断破壊するRC部材の挙動解析" 第19回コンクリート工学年次論文報告集. 19・2(発表予定). (1997)
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[Publications] 夏目和幸: "鉄筋コンクリート部材の靱性評価に関する研究" 土木学会第51回年次学術講演会講演概要集. 5. 1002-1003 (1998)
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[Publications] Hamdani Afzaal H.: "Response of RC Bridge Piers under Kushiro and Great Hanshin Earthquakes" 第19回コンクリート工学年次論文報告集. 19・2(発表予定). (1997)