1996 Fiscal Year Annual Research Report
地球環境保全に適応する新しい都市環境保全システムの開発と評価に関する総合研究
Project/Area Number |
07305023
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
野池 達也 東北大学, 工学部, 教授 (90005398)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 幸雄 北海道大学, 工学部, 教授 (00100058)
渡辺 義公 北海道大学, 工学部, 教授 (00040999)
花木 啓祐 東京大学, 先端研, 教授 (00134015)
松尾 友矩 東京大学, 工学部, 教授 (80010784)
宮原 高志 東北大学, 工学部, 講師 (70239432)
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Keywords | 地球 / メタン / 亜酸化窒素 / ヒートポンプ / 廃棄物 / 脱窒槽 |
Research Abstract |
地球大気中の温室効果ガス濃度の増加によってもたらされる地球温暖化問題は現在深刻に懸念されており、その発生源の解明および発生量削減対策の検討が迫られている。その中で二酸化炭素排出の規制やフロン使用の禁止などの対策がほぼ纏められているのに対してメタンと亜酸化窒素等はその発生源ですら未だ明らかにされていない。メタンと亜酸化窒素の発生は都市活動と密接な関係があり、とりわけ水環境の管理、排水処理及び廃棄物処分などの環境、衛生工学の分野と深く関わっている。しかし、従来の水環境の管理、排水処理及び廃棄物処分システムでは都市及び地域環境の保全だけに技術目標を設定しているので、地球環境保全への配慮はほとんどなされていないと言える。 本研究は水環境の管理、排水処理及び廃棄物処分などに起因する温室効果ガスの発生源及びその発生機構を明らかにし、地球環境保全に適用する温室効果ガス非発生型都市環境保全技術と新しい水環境管理を確立することを目的として、温室効果ガスの放出を抑制できる新しい排水処理及び廃棄物処分法の開発と評価、トータルエネルギー消費量低減型排水・廃棄物処理法の確立、温室効果防止に寄与する都市・水環境保全システムの構築と評価について検討を行った結果以下の結論を得た。水素ガス生成型排水処理法の種汚泥の違いに関わらず50日程度で安定した。間欠曝気につづく脱窒槽は亜酸化窒素の分解の場として機能していた。亜酸化窒素の生成を制御する方法としてメタノールの添加が重要であった。屋外測定に適用可能な簡便で可搬型の還元性硫黄化合物の測定法を明らかにした。下水熱を利用した地域冷暖房システムのに酸化炭素発生量削減効果をライフサイクル的に評価した結果、空気熱源のヒートポンプ方式やボイラーと冷凍機を用いた従来方式と比較して想定したいずれの地域の場合にも優位性が示された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 松尾友矩: "GIS及びLCAによる下水熱有効利用のフィージビリティースタディー" 東京大学工学部総合試験所年報. 54巻. 49-54 (1995)
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[Publications] Toshihiro Kitada: "Numerical Simulaton of the Transport of SO_x and NO_y over East Asia and the West Pacific Ocean in Winter" Proc.Int.Symp.on Acidic Deposition and its Impacts. 282-288 (1996)
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[Publications] 糸川浩紀: "間欠曝気をおこなうし尿処理施設における硝化・脱窒過程からの亜酸化窒素の発生と制御" 環境工学研究論文集. 32. 311-319 (1995)
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[Publications] 小林卓也: "三次元潮流シミュレーションによる東京湾の海水混合の解析" 海岸工学論文集. 42巻. 1071-1075 (1995)
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[Publications] 松岡浩爾: "21世紀における環境想像を目指して都市水環境の立場から" 環境工学連合講演会講演論文集. 12. 53-56 (1997)
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[Publications] J.J.Lay: "Effect of Moisture Content and Chmical Nature on Methane Formentation Characteristics of Municipal Solid Wastes" J.Environ Syst.and Eng., JSCE. 552号. 101-108 (1996)