1995 Fiscal Year Annual Research Report
発達史的観点を取り入れた地熱構造の解明とその地熱資源探査への応用に関する研究
Project/Area Number |
07305048
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Research Category |
Grant-in-Aid for Co-operative Research (A)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
江原 幸雄 九州大学, 工学部, 教授 (10002346)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田口 幸洋 福岡大学, 理学部, 教授 (00108771)
糸井 龍一 九州大学, 工学部, 助教授 (50108768)
茂木 透 九州大学, 工学部, 助手 (80182161)
藤光 康宏 九州大学, 工学部, 助教授 (10264095)
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Keywords | 地熱系 / 地熱資源 / 熱水系モデリング / 地熱構造 / 火山活動 / マグマ |
Research Abstract |
今年度は地熱系発達を検討するための一般的な作業仮説をもとに、地熱系の発達を示すインディケーターの検討を行い、数値シミュレータを作成し、基本的なモデルを検討した。また、平成7年10月11日、主要な研究対象地域である九重火山が噴火したため、同火山地域は地熱系発達の初期状態を解明するための格好のフィールドとなり、研究分担者のほとんどは九重火山の噴火活動調査研究に参加した。 数値シミュレーションにおける主な研究成果は 1.過熱状態まで取り扱える3次元数値シミュレータを開発した。その結果、マグマからのガスの供給により、初期状態では液相単相の貯留層が次第に、気液2相、過熱状態へと発達することがシミュレート可能となった。 2.マグマの熱伝導的冷却に伴う熱水系発達の2次元数値シミュレータを開発した。その結果、マグマが単調に冷却する中で、地熱系が空間的にも、時間的にも消長を繰り返すという興味ある現象が明らかにされた。 九重火山の噴火活動の観測に基づく主な研究成果は 1.地熱系の熱源である浅部マグマの存在を明らかにした。 2.火山ガス、放熱量および重力変動調査などから、マグマ性ガスの新たな注入により、新火口周辺に新たな熱と水の流れが生じたこと、すなわち、小規模の熱水系が新たに形成されたことが明らかになった。 九重火山の活動は依然として活発であり、今後、観測を継続し、地熱系発達の過程を観測から明らかにするとともに、火山活動予測においても貢献して行きたいと考えている。
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[Publications] 江原幸雄: "Thermal structure of kuju volcano, Central Kyushu, Japan an Estimation of the Heat Extraction Rate from Volcanic Geothermal Reservoir" Proc. World Geothermal Congress. 4. 2719-2722 (1995)
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[Publications] 江原幸雄: "Geothermal Resources of Kyushu, Southwest Japan with Special Focus on the Kuju Volcanic Region" Geothermal Resources Council Transactions. 19. 305-310 (1995)
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[Publications] 江原幸雄: "The Nature and Occurrence of Geothermal Resources of Japan -A Review-" Geothermal Resources Council Transactions. 19. 311-316 (1995)
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[Publications] 高木康宏: "雲仙火山下の熱構造モデリング" 九大地熱研究報告. 4. 144-158 (1995)
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[Publications] 由佐悠紀: "Deep structure of the Beppu Hgdrothermal System, Kyushu, Japan" Geothermal Resources Council Transactions. 19. 383 (1995)
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[Publications] 江原幸雄: "1995年九重火山噴火" 火山. 40. 425-427 (1995)