1995 Fiscal Year Annual Research Report
インフォームドコンセントにおける患者の決断の"ゆれ"と看護婦の対応に関する研究
Project/Area Number |
07307026
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Research Category |
Grant-in-Aid for Co-operative Research (A)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
中西 睦子 広島大学, 医学部, 教授 (00070681)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
志自岐 康子 都立医療技術短期大学, 看護学科, 助教授 (60259140)
水流 聡子 広島大学, 医学部, 助手 (80177328)
横尾 京子 広島大学, 医学部, 助教授 (80230639)
片田 範子 兵庫県立看護大学, 看護学部, 教授 (80152677)
南 裕子 兵庫県立看護大学, 看護学部, 教授 (70094753)
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Keywords | インフォームド・コンセント / インフォーミング / 納得 / プライバシー / 患者・医療者関係 / 役割期待 / 意思決定 / 対処行動 |
Research Abstract |
本研究の目的は、インフォームドコンセントにおける決断の"ゆれ"と患者および医療者側の条件を明らかにし、看護の介入の仕方を確立するところにある。本年度は、その目的にそって1)医師、2)看護婦、3)患者の3者からインフォームドコンセントに関連する諸体験を面接によって調査した。研究作業としてはまず、検索した文献資料にもとづいてICにおける"ゆれ"を操作的に定義した。その後、対象条件を設定し、該当する患者の探知方法および当該患者が見いだされた場合の接近方法を定めた。これは対象患者が多かれ少なかれ心理的クライシスを体験していることに対する看護上および倫理上の配慮を必要とするからである。そのような配慮を含めて、患者本人および関係する医師・看護婦3者の面接調査を実施するためのガイドラインを作成した。 このガイドラインにしたがって同一研究者が3者を一組とする面接を行い、その結果を分析した。分析はいまだその途上にあり、事例による相違も示唆されているが、「インフォーミングをめぐる医師の状況」、「コンセントをめぐる患者の状況」、「プライバシー」、「関係3者の対処行動」、当該病院の診療システムと密接に関係するとみられる「状況全体の構造」、すなわちインフォーミングから治療開始へと流れていく組織としての慣習的な体制のすべて、「患者-医療者関係」さらには「関係者相互の役割期待」などが分析の鍵概念として取り出された。これらはすべて医療社会のエ-トスを構成する要素である。このすべてにおいて"ゆれ"は顕在化しないまでも、潜在的に発生することが示唆されていた。現在引き続き事例収集と分析を行っているが、平行して平成8年度に実施する予定の質問紙調査の枠組みを検討している。
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