1995 Fiscal Year Annual Research Report
細胞膜から核までの情報伝達の分子機構の形態学的基盤
Project/Area Number |
07307027
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Research Category |
Grant-in-Aid for Co-operative Research (A)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
近藤 尚武 東北大学, 医学部, 教授 (20004723)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米田 悦啓 大阪大学, 医学部, 教授 (80191667)
藤本 豊士 群馬大学, 医学部, 教授 (50115929)
阿部 寛 東海大学, 医学部, 教授 (40151104)
仙波 恵美子 和歌山県立医科大学, 教授 (00135691)
柴田 洋三郎 九州大学, 医学部, 教授 (90037482)
石川 春律 群馬大学, 医学部, 教授 (90010058)
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Keywords | gap-junction / 細胞骨格 / プロティンキナーゼ / プロティンホスファターゼ / 核移行 / 核内遺伝子発現 / カベオレ |
Research Abstract |
細胞膜とその関連蛋白質の解析として、gap junctionとその構成蛋白のconnexin分子多様性を心筋の発達過程で光顕免疫組織化学と急速凍結エッチプリカ法により詳しく追究した。次に細胞膜の特殊化として知られるカベオレとその膜近傍の分子構成解析として、イノシトール3ーリン酸レセプター(IP3-R)の電顕的微細局在を調べ、IP3-Rがこの陥凹膜に局在することを明確にした。さらにカルレチクリンとカルシウムポンプの存在の可能性も検討しつつある。細胞膜から細胞内への情報伝達に重要と考えられる細胞骨格の形態学的解析として、培養細胞での小器官の立体的配列および47kDaの新たな細胞骨格関連蛋白を共焦点レーザー顕微鏡で高解像で示すことができた。その所見をもとにショウジョウバエの発生過程での変動を追究しつつある。細胞膜から細胞内に情報伝達される物質的基礎と考えられるリン酸化と脱リン酸化機構の解析として、Ca/calmodulin依存性プロテインキナーゼIV型の遺伝子クローニングと脳内発現の空間・時間的多様性を詳細に明らかにした。次いで、プロテインホスファターゼの各サブタイプの脳内発現を正常ラットで明らかにした後、小脳ミュータントマウスでの発現変動を詳しく追究した。細胞質から核への情報伝達機構に重要と考えられる核移行機序について、58kDaの核膜孔ターゲッチング複合体を新たに見出し、この分子の作用機を詳細に細胞生物学的に検討中である。最後に核内への情報伝達の結果として、痛覚刺激による感覚神経回路中のニューロン細胞核でのc-fos遺伝子の発現変動を詳細に調べた。これら一連の研究を有機的に関連づけつつ進行させて、細胞膜から核までの情報伝達機構の形態学的理解をさらに深めようとしている。
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[Publications] H.Kondo: "On the real structure of the cytoplasmic matrix:Learning from the embedment-free electron microscopy" Arch.Histol.Cytol.58. 397-415 (1995)
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[Publications] S.Kano および H,Ishikawa: "Localization of 47KD antigenic polypeptides in Mararia parasites by confocal laser scanning microscopy" Bio images. 3. 13-17 (1995)
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[Publications] K.Manabe 他3名および Y.Shibata: "Classification of ion channels in the luminal and abluminal membranes of guinea pig endocardial endothelial cells." J.Physiol.484. 41-52 (1995)
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[Publications] K.Kami,K.Noguchi,E.Senba: "Localization of myogenin,c-fos,c-jun and muscle-specific gene mRNAs in vegenerating rat skeletal muscle." Cell Tiss.Res.280. 11-19 (1995)
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[Publications] H.Guo 他6名および H.Abe: "Protein phosphatase mRNA expression in Purkinje cells of staggerer and reeler mutant mice" Mol.Brain Res.33. 121-126 (1995)
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[Publications] T.Hujimoto 他2名: "Plasmalemmol mositol 1,4,5-triphosphate receptor-like protein is associated with actin filaments" J.Cell.Sci.108. 7-15 (1995)
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[Publications] M.Imamoto,他7名および Y.Yoneda: "In vivo evidence for involvement of a 58 kDa component of nuclear poretargeting complex in nuclear protein import." EMBO J.14. 3617-3626 (1995)