1995 Fiscal Year Annual Research Report
21世紀の創造的なコミュニティを創るための、情報環境システムの研究
Project/Area Number |
07309002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Co-operative Research (A)
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Research Institution | International Christian University |
Principal Investigator |
村上 陽一郎 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (40012504)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
公文 俊平 国際大学, グローバルコミュニケーションセンター, センター長 (80012318)
糟谷 英一郎 山脇学園短期大学, 家政学部, 講師 (20224420)
岩崎 敬 (株)岩崎敬環境計画事務所, 主任研究員
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Keywords | 計画論 / 都市計画 / 安全科学 / 博物館学 / コミュニケーション科学 / 生涯学習論 / コミュニティ計画 / マルチメディアネットワーク |
Research Abstract |
昨年の阪神大震災は、物理的な都市破壊だけでなく、実態伝達の可否、共感の得られるコミュニケーション、災害実態のイメージの可能性など、コミュニティでのコミュニケーションのありかたに関しても根本的な課題を残した。TI-Net研究においても、情報風景、ストーリ研究の中で、事例研究の一貫として震災時の情報面での課題整理を進めている。 ●阪神大震災における情報の役割、コミュニティでの活用可能性に関し、TI-Netの視点に立って包括的な分析を進めている。効果と効率が極度に要求される状況で、行政が頼ったコピーやFAXという一方的な情報の流れと、ボランティアが活用したパソコンネットワークとの違いは大きかった。これは単に情報の即時性と共有制といった情報の流れ方の問題だけでなく、情報の活用を含めた創造的なインターラクションの有無の問題である。さらに、報道情報とインスピレーションの伝達の差異、非難者コミュニティの創造性の問題と日常課題等、分析すべき課題は多い。 ●創造的な情報利用は事例が少ないこともあって、事例分析を進めることに限界がある。今後ネットワーク上の作業環境をより整えて、実験やデザインといった視点での研究方法にウエイトを置く予定である。 ●情報風景やストーリー記述の研究及び、メディアシステムの技術的可能性研究については、既存事例は内容が薄く、むしろ絵画や映画のような歴史のあるメディアにヒントが多い。インターネット上のミュージアムには、ディスプレイそのものに写された簡単な絵を使った錯覚の実験もあり、評価される。wwwサイトのリンク機能は関連性の記述として期待されるが、現実にはシークエンシャルな利用であり包括的な情報伝達といった視点にはなり得ていない。 ●創造的な学習空間の研究では、活動空間と情報を得る場の一致が基本的な空間条件の一つだが、創作系、学習系ともにこれを実現しているものは大変少ない。学習行為そのものの考え方の問題であると判断される。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 岩崎敬: "阪神復興のための都市論" VOICE(ボイス). 95-7. 194-203 (1995)
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[Publications] 岩崎敬: "学研ぶんか回廊「安全科学」11-16" 京都新聞. 7.18-8.22(連載形式、6回). (1995)
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[Publications] 岩崎敬、糟谷英一郎: "The CELL CITY" Degrado Urbano e Citta Cablata. (1995)