1995 Fiscal Year Annual Research Report
被爆関連文献のフルテクスト・データベースの作成・検索・分析の研究
Project/Area Number |
07309010
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Research Category |
Grant-in-Aid for Co-operative Research (A)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
松尾 雅嗣 広島大学, 総合科学部, 教授 (40106787)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舟橋 喜恵 広島大学, 総合科学部, 教授 (70093804)
濱谷 正晴 一橋大学, 社会学部, 教授 (60017639)
田村 佳子 広島大学, 総合科学部, 助手 (50227279)
宇吹 暁 広島大学, 原爆放射能医学研究所附属国際放射線情報センター, 助教授 (10110462)
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Keywords | 被爆文献 / フルテクスト・データベース / 用語検索 / 原爆 / 原爆被害 / 被爆手記 |
Research Abstract |
研究初年度の平成7年度においては、当初の研究計画に従い、(1)既に収集済の資料に加え被爆関連文献資料、特に昭和20年代を中心とする初期のものを集中的に収集した。小倉豊文『絶後の記録』、石田雅子『雅子斃れず』、京都大学学友会『原爆体験記』などである。(2)収集文献は、経費の許す限り機械可読化し、年度末までにほぼ10点を入力した。(3)フルテクスト・データベース検索のためのプログラム開発に関しては、所謂ウインドウズで利用可能な形での基本設計を終え、試作版を作成した。(4)入力済の資料を使用した用語の出現度数などのデータにもとづき、被爆直後の行動と心理を解明するために重要と思われる語彙、概念の選定と策定の作業を行い、被爆実態解明に有効な分析概念の抽出の努力を行った。また、被爆実態解明に必要な、被爆者、手記執筆者の略歴、被爆状況、被爆地、家族構成、年齢など一般的な変数の検討と検索プログラムへの組み込み方法についても検討した。 本研究は、被爆関連文献資料のはじめての本格的フルテクスト・データベース化であったため、幾つかの予期しない問題点も生じた。初期の被爆関連文献資料に関しては散逸が著しく信頼するに足る底本の収集が困難であった。このため本来なら使用すべき初版ないしは定本を使用できない場合も生じた。また、戦後初期の資料に関して旧漢字の使用もしくは手書資料の存在、活字の不鮮明、保存状態など機械可読化と資料保存の点で困難が生じた。被爆の実態を解明するという本研究の最終目的については、解明に有効な既存の枠組がないため用語の頻度統計にもとづいて有効なキーワード、概念の抽出を模索するにとどまった。 本年度の研究は、言わば基礎作業であり、研究成果は来年度以降に公表、刊行の予定である。
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Research Products
(1 results)