都市思想の歴史的展開 -空間論の新たな構成に向かって

1995 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 07351002
• Research Institution: Kinki University
• Principal Investigator: 堀田 泉 近畿大学, 教養部, 教授 (10126899)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 山本 賢治 鹿児島経済大学, 社会学部, 教授 (30140974) ; 橋本 和孝 関東学院大学, 文学部, 教授 (90198672) ; 大澤 善信 金沢大学, 教育学部, 助教授 (10213688) ; 高橋 英博 宮城学院女子大学, 文芸学部, 教授 (80206838) ; 吉原 直樹 東北大学, 文学部, 教授 (40240345)
• Keywords: 都市思想 / 都市経営 / コミュニティ / 都市型社会 / 社会理論 / 空間論 / 社会形成 / モダニティ

Research Abstract

「都市思想」という未開拓の研究テーマが社会科学の固有のテーマたりうるか、そうだとすればいかなる意義と課題を背負い、どのような方向づけをもって今後遂行されていくべきか、ということを体系的に計画・検討し、資料収集などの方針を立てることがこの共同研究のねらいであった
5回の合宿研究会と日常的な研究打ち合わせを実施した結果、上のねらいに対しては、都市思想の歴史的な展開の場としての近代都市、都市型社会を社会理論的にいかに位置付けるか、という基礎的な問題の存在とその重要性を強く意識するにいたり、これに取り組む理論的足がかりを得た。それが共同著作『「近代」と社会形成の理論』(有信堂高文社)となって結実した。また、都市思想の具体的な構想への一里程として空間論を射程に収めた共同著作『都市空間の構想力』(勁草書房)を刊行した。これらの著作には、本研究組織の分担研究者の多く論文が収められている。さらには、都市問題の現況を認識し、国際比較の視点を導入するために「韓日高度市民社会フォーラム」への参加をおこない、コミュニティや都市における社会設計についての具体的な情報や知見を得た。
都市思想家、都市経営思想などの基本的文献、聞き取りなど資料の収集・整理もすべての共同研究者が分担して実施計画を立てており、予備調査も進展している。今後の本格的研究の準備はこのように整備されてきており、次年度からは総合研究Aに発展させていく予定である。

Research Products

• [Publications] 吉原直樹: "社会理論における空間的モーメント" 創文. 371号. 15-18 (1995)
• [Publications] 吉原直樹: "都市社会学の空間論的転成への方向" 社会学研究. 62号. 27-47 (1995)
• [Publications] 吉原直樹 編: "都市空間の構想力" 勁草書房, 279 (1996)
• [Publications] 堀田 泉 編: "「近代」と社会形成の理論" 有信堂高文社, 231 (1996)