1995 Fiscal Year Annual Research Report
日本とフランスにおける戦後政治経済体制と政治文化に関する比較研究
Project/Area Number |
07352001
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大嶽 秀夫 京都大学, 法学部, 教授 (40083563)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 淳子 東京大学, 教養学部, 助教授 (00251314)
真渕 勝 大阪市立大学, 法学部, 助教授 (70165934)
野地 孝一 信州大学, 経済学部, 教授 (10135121)
梶田 孝道 一橋大学, 社会学部, 教授 (10133357)
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Keywords | 比較政治方法論 / 日本政治 / フランス政治 / 日本政治学 / フランス政治学 / 新制度論 / 2国間比較 |
Research Abstract |
本研究においては、来年度以降の本格的日仏比較のスタートのために研究状況の整理をし、その上に立って国際的な共同研究をいかに組織することが望ましいかを、次のような論点を中心に検討を積み重ねてきた。 1.比較政治学の方法論を再検討し、2国間比較の意義と問題点とを洗い出した。さらに、それらがどのように解決しうるか、どのようにすれば最も意味するペア比較が可能かを検討した。特に、新制度論が日仏比較についてもつ意味を検討した。その上で、いくつかの先駆的な日仏政治比較の業績をとりあげ、評価を行った。 2.フランス政治研究、日本政治研究それぞれにつき、戦後の研究動向の展開と現状について、主要業績に焦点を当てつつ検討を行った。併せて、日仏両学界の特徴、特に知識人の政治へのかかわりやマスコミの政治報道のありかたについても検討した。学界の特徴としては、日仏いずれの政治学界でも、60年代には行動論の影響を受けた文化的特徴を強調する議論が主流であったのが、70年代に入ると政策決定に焦点を当てた多元主義的解釈が登場し、さらに80年代になると制度論的政治経済鍔にとって代わっている。 3.1980年代から現在に至る日仏両国の政治的発展に様々な共通性があるとの前提に立ち、どのような政策領域、組織に焦点を当てて研究を行うべきかを議論した。その過程で、イデオロギー的対立軸の変化、政党の再編、福祉政策の現状、産業・金融政策の変化、地方分権の成果などの論点が比較の対象として重要であるとの認識に達した。とくに、他のヨーロッパ諸国とは異なるイデオロギー対立の様相を戦後史の中で検討すること、90年代におけるその「溶解」とそれが政策の再編成に与えた影響について究明することには、両国の政治を理解する上で大きな意義がある。
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