1996 Fiscal Year Annual Research Report
「中国」を中心とするアジア史高等教育用史料の体系的整理ならびに研究史的分析
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07401011
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
森 正夫 名古屋大学, 文学部, 教授 (00036641)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
重松 伸司 名古屋大学, 国際開発研究科, 教授 (20109242)
黒田 明伸 名古屋大学, 情報文化学部, 助教授 (70186542)
猪俣 愛子 (倉沢 愛子) 名古屋大学, 国際開発研究科, 教授 (00203274)
加藤 久美子 名古屋大学, 文学部, 講師 (80252203)
江村 治樹 名古屋大学, 文学部, 教授 (80093201)
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Keywords | アジア史 / 史料集 / 中国史 / 東南アジア史 / インド史 / 日本軍政 / 移民 / 出土文字資料 |
Research Abstract |
平成8年度中には、前年度からの作業を通じ、近い将来における高等教育用史料集の構想が初歩的に形成されてきた。そこで、新たに発掘された史料の紹介と既知の史料の新たな活用とを内容とする試行史料集を編纂し、それを報告書とした。その中で、江村・森・加藤・重松・三田は、それぞれ、文字史料あるいは文献史料の提示とその解題・翻訳を行った。また、黒田は地図の、猪俣は写真史の提示と解題を行った。各人の具体的題目は以下の通りである。 1 中国戦国時代における法令の形式-とくに出土簡牘を通して 江村治樹 2 明太祖朱元璋の肉声-『御製大誥三編』(部分)より 森 正夫 3 『山西晋泉県新主要出品及戸数距離簡要地図』について 黒田明伸 4 インドネシアの日本軍政関係写真資料 猪俣(倉沢)愛子 5 タム文字文書とタムナーン 加藤久美子 6 『英領マラヤ統治年報』-近代インド移民関係資料紹介 重松伸司 7 北インド「中世初期」碑文資料について 三田昌彦 本研究においては、紀元前5〜3世紀の中国、6〜12世紀のインド、14〜17世紀の中国、19〜20世紀のタイ、20世紀前半のマラヤ、20世紀40年代のインドネシアと中国というように、古代から元代、および東アジア・東南アジア・南アジアなどアジア全域にわたる史料について研究を進め、最新のデータを活用してアジア史高等教育用試行史料集を編纂し、報告書として刊行することができた。今後、この報告書を高等教育の現場で実際に使用していただき、その反響をふまえて、さらに充実した史料集の編纂を目指したい。
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Research Products
(19 results)
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[Publications] 江村治樹: "戦国三晋諸国の刑法典の特質について" 梅原郁編『前近代中国の刑罰』京都大学人文科学研究所. 13-34 (1997)
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[Publications] 江村治樹: "漢字統一への道-始皇帝と漢字の統一" しにか. 6・5. 22-27 (1995)
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[Publications] 加藤久美子: "Changes in Sipsonpanna in the eighteenth century : focusing on 1720s and 1730s" 名古屋大学文学部研究論集. 128. (1997)
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[Publications] 倉沢愛子: "東南アジア史の中の日本占領" 重松伸司他編著『変容する日本とアジア』リバティ書房. 112-124 (1996)
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[Publications] 倉沢愛子: "開発体制下のインドネシアにおける新中間層の台頭と国民統合" 東南アジア研究. 34・1. 100-126 (1996)
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[Publications] 倉沢愛子: "インドネシアにおける日本軍政がもたらした影響" 『東南アジア史の中の近代日本』みすず書房. 113-131 (1995)
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[Publications] 倉沢愛子: "多様性の中野統一:インドネシア" 地理月報. 425. (1995)
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[Publications] 倉沢愛子: "インドネシアの文書館" Museum Kyushu. 50. 41-47 (1995)
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[Publications] 倉沢愛子: "インドネシア脱植民地化の過程にみる日本とオランダ" 歴史学研究. 672. 12-24 (1995)
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[Publications] 黒田明伸: "20世紀初期太原県に見る地域経済の原基" 東洋史研究. 54・4. 1-34 (1996)
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[Publications] 重松伸司: "国際移民研究の課題と動向-南アジア移民研究との比較視座" 国際開発研究フォーラム. 2. 265-276 (1995)
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[Publications] 倉沢愛子: "南アジア・インド移民に関する研究課題と研究動向" 国際開発研究フォーラム. 3. 79-100 (1995)
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[Publications] 三田 昌彦: "Land distribution and Kinship of the Nadol Cahamanas : structure of Rajput polity in 12th-century Rajasthan" 南アジア研究. 8. 27-57 (1996)
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[Publications] 森 正夫: "江南デルタの郷鎮志について -明後半期を中心に" 小野和子編『明末清初の社会と文化』京大人文科学研究所. 1-43 (1996)
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[Publications] 森 正夫: "『錫金識小録』の性格について" 名古屋大学文学部研究論集. 122. 29-48 (1995)
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[Publications] 森 正夫: "明末における秩序変動再考" 中国:社会と文化. 10. 3-27 (1995)
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[Publications] 重松伸司他編著: "変容するアジアと日本" リバティ書房, 254 (1996)
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[Publications] 重松伸司編著: "開発における文化と社会" 名古屋大学国際開発研究科, 229 (1996)
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[Publications] ジョアンナ・リドル・ラ-マ・ジョージ著 重松伸司監訳: "インドのジェンダー・カースト・階級" 明石書店, 516 (1996)