1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07403001
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
橘木 俊詔 京都大学, 経済研究所, 教授 (70112000)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
照山 博司 京都大学, 経済研究所, 助教授 (30227532)
森棟 公夫 京都大学, 経済研究所, 教授 (20109078)
有賀 健 京都大学, 経済研究所, 教授 (60159506)
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Keywords | 株式持合 / コ-ポレート・ガバナンス / メイン・バンク制 / 経営不振と銀行 / 円・ドル交換比率 / 貨幣需要 |
Research Abstract |
本年度の研究成果は、研究の最後の年なので、理論的・実証的な研究の仕上げを行った。特に、各自が研究論文を作成することに努力して、研究成果を挙げた。さらに、途中の研究成果を討論する場を設けて、論文の質を高めるようにした。この成果をふまえて、次のプロセスは各自が専門ジャーナルに投稿して、出版に向けることである、ただし、それにはレフェリー、印刷等で時間がかかるので出版は1〜2年後になる。ただし、この2年間で実質的な研究成果を挙げることが出来たのは確実であり、それは同封の報告書によって示されている。 ここ一年間の研究でわかったことをまとめれば次のようになる。先ず、株式持合については、その非合理性のあることが示されたことが特筆される。特に、コ-ポレート・ガバナンスとしての株主は基本的にサイレントであり、企業経営に株主が監視機能を果たしていなかったことが示されている。次に、株式持合の主たる持ち主である金融期間に注目してみると、逆に金融機関を監視する主体のいないことが株式持合制の中で明らかになり、金融機関の経営を非常に不透明にし、かつ資本市場を不安定にしていることがわかった。この事実が、景気循環の波を増大させていたことが示された。 メイン・バンク制度に注目してみると、本来メイン・バンクの最大の役割は、企業が財政難や倒産の危機にさらされた時、積極的に救済を行うことにあると考えられていた。この事実が確かであることは本研究でわかったが、メイン・バンクの存在理由は他にもあるのではないかということで、本年度はそのことを探究した。 最後に、流動性効果と貨幣需要に注目して、その理論的・実証的研究を行うこととして、その成果を挙げることが出来た。
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