1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07404010
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
戸塚 洋二 東京大学, 宇宙線研究所, 教授 (40011712)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩澤 真人 東京大学, 宇宙線研究所, 助手 (70272523)
伊藤 好孝 東京大学, 宇宙線研究所, 助手 (50272521)
西川 公一郎 東京大学, 原子核研究所, 教授 (60198439)
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Keywords | 陽子崩壊 / スーパーカミオカンデ |
Research Abstract |
本研究は,大型水チェレンコフ装置「スーパーカミオカンデ」を使用して,p→νK^+なる崩壊モードの陽子崩壊を探索するとともに,そのために必要な基本的測定パラメーターを事前に決定しておくためのものである.上記崩壊モードは,装置内で起きる大気ニュートリノ反応と区別することが困難なため,酸素原子核中の陽子崩壊 ^<16>O→^<15>N^*+ν+K^+, K^+→μ^++ν, ^<15>N^*→^<15>N+γ(6MeV), を考え,崩壊直後に放出されるガンマ線と平均12ns後に放出されるミューオンとの遅延コインシデンスをとることによって大気ニュートリノのバックグラウンドをなくし,クリーンな陽子崩壊探索を行おうとするものである. 本年度は,前年度に製作したガンマ線とミューオンにチェレンコフシミュレーターを神岡鉱山の地下に搬入し,スーパーカミオカンデにおいて実際にガンマ線+ミューオンの検出効率の測定を行った.実験は成功裡に行われ,上記反応は,ガンマ線とミューオンの遅延時間が11ns及び15ns以上ではそれぞれ93%と99%であり,十分な検出効率が得られることがわかった.また遅延時間6nsの測定では,単純な遅延時間だけでは効率が悪く,チェレンコフパターンの情報を導入することにより,67%の検出効率が得られることがわかった.すなわち,上記崩壊モードはスーパーカミオカンデによって十分検出可能であるとの結論が得られた.また,本年度は,ガンマ線検出器と付属電子回路を購入し,上記崩壊に於けるガンマ線放出確率を求める実験の準備を行った.来年度に,ガンマ線検出器の特性測定を行う.また,スーパーカミオカンデによって得られたデータを解析するための解析プログラムの開発も行った.本年度に実際の探索を行う予定である.
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Research Products
(1 results)