1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07404028
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大場 忠道 北海道大学, 大学院地球環境科学研究科, 教授 (60013588)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾田 太良 熊本大学, 理学部, 教授 (60108454)
小泉 格 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20029721)
村山 雅史 北海道大学, 大学院地球環境科学研究科, 助手 (50261350)
長谷川 四郎 北海道大学, 大学院地球環境科学研究科, 助教授 (90142918)
南川 雅男 北海道大学, 大学院地球環境科学研究科, 教授 (10250507)
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Keywords | 黒潮変動 / 海洋古環境 / 有孔虫 / 酸素同位体比 / 炭素同位体比 / X線回折 / 鉱物組成 / 群集組成 |
Research Abstract |
本研究は、過去2回の氷期・間氷期を含む約15万年前までの気候変動に伴う黒潮変動を復元することを目的として、黒潮を横切るように伊豆半島沖北緯33度から29度にかけて採取した6本のピストンコアについて、堆積物の無機および有機元素分析、X線解析による鉱物定量、底生および浮遊性有孔虫化石の堆積量と群集変化、珪藻化石の堆積量と群集変化、底生および浮遊性有孔虫殻の酸素・炭素同位体比、有機物の炭素・窒素同位体比、さらに加速器質量分析計を用いた^<14>C年代測定などの学際的総合研究を実施している。 これまでに、4本のコアの堆積物の含水率および帯磁率、無機および有機元素分析とX線解析による鉱物定量、浮遊性有孔虫化石の堆積量と群集変化、珪藻および石灰質ナンノ化石の堆積量と群集変化、6本のコアに含まれる有孔虫殻の酸素・炭素同位体比、加速器質量分析計を用いた^<14>C年代測定値がある程度得られている。過去の黒潮変動に関しては、最終氷期(約1.8万年前)に黒潮流軸が日本列島南岸の沖合いを東に流れており、日本列島南岸の沖合いは現在の三陸沖と同様な海洋環境に支配されていた。また当時は日本列島南岸の沖合いに黒潮の蛇行や親潮潜流の流入が著しかったこと、さらに深層水の入れ替わりが起こっていたことなどが示唆された。 これらの海底コアから得られた結果を、最近になって三陸沖から得られた海底コアの情報と比較することによって、過去15万年間の黒潮変動の全貌が明らかになりつつある。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Harada, N. et al., 6 persons: "Age determination of marine sediments in the Western North Pacific by Aopartic and chronology" Journal of Oceanography. 53. 1-7 (1997)
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[Publications] Oba,T.: "Pleistocene deposits of the Japan Sea" Geology and Geophysisc of the Japan Sea ads. by Isezaki,N. et al.283-293 (1996)
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[Publications] 奥村智 ほか3名: "日本海秋田沖の2本の海底コアの酸素・炭素・窒素同位体比に基づく古環境解析" 第四紀研究. 35・5. 349-358 (1996)
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[Publications] Harada,N et. al.,5persons: "chronology of marine sediments by the racemization reaction of aspartic acid in planktonic foraminitera" Organic Geochemistry. 24・8/9. 921-930 (1996)