1996 Fiscal Year Annual Research Report
熱水系における水溶液・ガス・鉱物間反応メカニズムの解明
Project/Area Number |
07404031
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
本間 久英 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (20091928)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松涛 聡 宮城教育大学, 教育学部, 助教授 (50199824)
中田 正隆 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (80180305)
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Keywords | 硫黄同位体組成比 / 熱水変質 / 海洋組成 / 地球環境変動 / 放射性廃棄物 / 処理 / 金溶解 / バクテリア |
Research Abstract |
本課題における研究成果は次のようにまとめられる。 1.火成活動や熱水活動の盛んなフォッサ・マグナ地域に産する金属鉱床の鉱石鉱物の硫黄同位体組成比の特性を示し、その意義についての議論を行った。 2.熱水による岩石の変質・変化の鉱物学的・地球化学的な研究を、黒鉱地域に算出する玄武岩に注目して、その特徴付けを行い、その意義についてのべた。 3.地下よりもたらされる単位あたりの熱水の量と地質年代におけるそれらの全体せきが、その受け皿である海洋の組成変化にもたらす影響評価を論じた。地球環境の変化は、各種のオーダーで議論されている。しかし、太陽の直接の影響をのぞき、地球自身によるものとされる環境変動の大基にスーパープリュームと呼ばれる上昇流があり、熱水やCO_2が大量にもたらされる。その地質学的な環境変動に伴う原因を探り、評価した。 4.放射性廃棄物の人体や環境にもたらす影響は未知なものがある。その処理法として、岩石すなわち地層にそれを吸着させる方法が研究されている。その方法のシミュレーションと実際の岩石による放射性物質の吸着との関連性をのべた。 5.濃度の異なる酸性熱水を純金に反応させ、その溶解速度、量を時間で追い、その系を律速する要因を求めた。また、溶解度という言葉の定義のあいまいさも暗に指摘した。 6.鉱物の沈殿・集積の一要因として、熱力学では溶けないものが存在する。その原因は生物の介在である。特に、バクテリアの介在が議論されている。ここでは、主に、貴金属の集積に関するバクテリアの実態を示した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] M.Shimizu,N.Shikazono & K.Tsunoda.: "Sulphur. Isotopic Characteristics of Hydrothormal Mineral Depesits : into Southern Fose Magna Rogion,Japan" Memoirs of the Faculty of Liberal Arts and Education,Yamanashi University. 46. 40-48 (1995)
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[Publications] N.Shikazono,M.Utada & M.Shimizu.: "Miueralogical and geodemical characteristics of hydrothemal alterntion of haset in the kurokomineahea,Japan" Applied Geochamistry. 10. 621-642 (1995)
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[Publications] 鹿園直建: "熱水フラックスとグローバル海洋組成" 地学雑誌. 104. 16-27 (1995)
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[Publications] 鹿園直建: "スーパープリュームがもたらす地球環境変動" 科学. 65. 324-332 (1995)
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[Publications] 鹿園直建: "放射性廃棄物の地層処分に対するシミュレーション研究とナチュラルアナログ研究の意義" 地質ニュース. 499. 13-22 (1996)
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[Publications] 中田正隆、麹子正,鹿園直建、本間久英: "150℃での塩酸溶液におけるAuの溶解" 資源と素材. 112. 836-842 (1996)
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[Publications] 本間久英、中田正隆、崎永麻実子: "バクテリアによる金の集積(予報)" 鉱物学雑誌. (1997)