1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07404039
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
山岸 晧彦 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70001865)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 昌宏 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30250418)
高橋 正行 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50241295)
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Keywords | 粘土鉱物 / 単分子膜 / LB法 / 電極修飾剤 |
Research Abstract |
本研究では、粘土鉱物の薄膜を得るのに、気液界面上に展開した単一層からなる超薄膜をラングミュア・ブロジェット法によって一層づつ積層していく方法を開発した。このような薄膜は、キャストした膜と比べて極めて均一であり、しかも層の厚さをナノメーターの精度で制御できる。このことは、赤外分光法、X線回折法、原子間力顕微鏡にによる観察等によって確かめられた。さらに、この薄膜を種々の陽イオン性錯体を含む水溶液に浸積することによって、層の積層構造を乱さないで層間に錯体をインターカレートすることが出来た。このことは、偏光電子吸収スペクトル、X線回折法等によって明らかにされた。この方法により電気化学活性な金属錯体をインターカレートした粘土超薄膜は、電極修飾膜として働くことが明らかにされた。この電極における電極反応の機構を、サイクリックボルタモグラム法によって詳しく調べた。その結果、膜中の電荷移動の過程について、興味ある知見が得られた。すなわち単一層からなる膜の中の電荷移動速度は、キャスト膜の場合と比較して極めて小さいが(10^4分の1以下)、積層する層を増していくと移動速度が指数関数的に増大した。このことは、膜中の電荷移動は、膜の中の欠陥を通して行われるいわゆるホッピングモデルによって説明されることを示唆している。以上のように、粘土膜の超薄膜をつくる方法を開発して、その構造を明らかにして、電極修飾膜として特異な性質を示すことが判った。現在、この修飾膜を用いて、スルフィドのスルフォキシドへの酸化、ナフトールビナフトールへの酸化等の不斉電極反応を行っている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] K.Yao: "Electrochemical STM Observation of Ordered Surface Layers on an Anionic Clay Modified Electrode" Langmuir,(in press). 14. (1998)
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[Publications] K.Yao: "Clay Modified Electrode as Studied by Quartz Crystal Microbalance:Adsorption of Ruthenium Complxes" Journal of Electroanalytical Chemistry. 429. 207-214 (1997)
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[Publications] Y.Hotta.: "A Clay Self-Assembled on a Gold Surface as Studied by Atomic Force Microscopy and Electrochemistry" Langmuir. 13. 6697-6703 (1997)
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[Publications] Y.Hotta: "Electrochemical Behavior of Hexa-ammineruthenium (III) cations in Clay-modified Electrodes Prepared by the Langmuir-Blodgett Method." Jouranl of Electroanalytical Chemistry. 429. 107-114 (1997)
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[Publications] Y.Hotta: "A Clay Self-Assembled on a Gold Surface as Studied by Atomic Force Microscopy" Journal of Colloid & Interface Science. 188. 404-408 (1997)
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[Publications] Y.Hotta: "Clay Modified Elecrodes Prepared by Langmuir-Blodgett Method" Clay Minerals. 32. 79-88 (1997)