1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07404040
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (A)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
手老 省三 東北大学, 反応化学研究所, 教授 (80111318)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
生駒 忠昭 東北大学, 反応化学研究所, 助手 (10212804)
秋山 公男 東北大学, 反応化学研究所, 助教授 (10167851)
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Keywords | 高磁場時間分解EPR / スピンダイナミックス / 短寿命常磁性種 / ラジカル対 / 励起三重項状態 |
Research Abstract |
1.本年度はQ-バンドEPRスペクトロメータを主要設備備品として購入し、レーザー励起高磁場時間分解EPRシステムをつくり上げた。これと並行して、次の課題について研究を行った。 新しい電子スピン分極機構:スピン軌道相互作用機構(SOCM)の解明 本研究により明らかにされたスピン軌道相互作用の特徴は次のように要約される。 (1)電子スピン分極の生成は接触ラジカル対の三重項状態から基底状態への逆電子移動反応が副準位選択的であるために生ずる。 (2)スピン軌道相互作用が逆電子移動反応速度を制御しているので、重原子であるほど有効に作用する。 (3)重原子上のスピン密度がSOCに直接影響する。 (4)SOCは短距離でのみ作用するので、中間体として接触ラジカル対やエキシプレックスの生成の証拠となる。 (5)ラジカル間距離が重要な因子であるので、溶媒粘度や極性などの環境場に著しく依存する。 3.大きな零磁場分裂定数をもつ励起三重項状態の電子構造の研究 ナフトキノンやジアセチレン誘導体は非常に大きな電子スピン間相互作用をもっていることを明らかにし、時間分解EPR法によりその電子構造についての研究を進めている。 このような分子の研究に高磁場時間分解EPR法は非常に有用である。
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[Publications] S.Tero-Kubota: "Coherent and Incoherent Hopping of Triplet Exciton in Quinoxaline-annelated and Naphtalene-annelated Dimers" Chem.Phys.Lett.249(5,6). 314-318 (1996)
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[Publications] K.Akiyama: "Time-resolved and Fourier Transform EPR Studies of Type I Photochemical Reaction.Direct Determination of Kinetic Parameters of C-C Bond Cleavage" Res.Chem.Intermed.22(2). 103-113 (1996)
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[Publications] K.Akiyama: "Origin of an Absorptive Electron Spin Polarization Observed in Photochemical Hydrogen Abstraction Reaction by Benzophenone Derivatives.CW and Pulsed EPR Studies" J.Phys.Chem.100. (1996)
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[Publications] H.Oshio: "Magnetic Interactions in Cu(I) and Ag(I)Iminonitroxides" Mol.Cryst.Liq.Cryst.273. 47-56 (1995)
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[Publications] A.Katsuki: "Echo FT-EPR Study of the Photochemical Redution and Oxidation Reactions of 2,5-Di-t-butyl-1,4-benzoquinone and 2,5-Di-t butylhydroquinone by Xanthene Dyes" Bull.Chem.Soc.Jpn.68. 3383-3389 (1995)