1995 Fiscal Year Annual Research Report
金属的伝導性無機化合物におけるアニオンの役割と化学結合
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07404054
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (A)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小菅 皓二 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00025371)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 将樹 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90271006)
吉村 一良 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70191640)
岡 与志男 京都大学, 総合人間学部, 教授 (10152282)
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Keywords | バナジウムカルコゲナイド / 化学輸送法 / 核磁気共鳴 / CaRuO_3 / SrRuO_3 / インバー効果 |
Research Abstract |
(A) バナジウムカルコゲナイドの研究 (1) 本科学研究費で購入した赤外線集中炉単結晶育成装置を利用して、化学輸送法により、バナジウムカルコゲナイドV_3X_4,V_5X_8 (X=S, Se) の大型良質単結晶の育成を試みた。化学輸送法による輸送剤としては、TeCl_4, I_2, HCl, Cl_2などを試みた。その結果、I_2が輸送剤として最も適当であり、例えばV_5S_8では5×5×1mm程度の単結晶を得ることができた。 (2) この結晶を用いて、高磁場化における磁化過程の研究を行い、50Tまでに磁場による2つの相転移を確認し、その解析を行い、現在論文投稿中である。 (3) また、これらの物質について核磁気共鳴の実験を行いつつある。 (B) ペロブスカイト型(Sr_<1-X>Ca_X) RuO_3の研究 CaRuO_3, SrRuO_3ともにペロブスカイト型構造をとり、両者とも金属的性質を示す。しかしながら、前者は低温まで常磁性であり、後者は約150Kで強磁性体となる。これらの固溶体を合成し物性の検討を行った。その中で最も特徴のある結果は、熱膨張の変化である。CaRuO_3においては、10Kより室温までデバイ関数で完全にフィッティングできた。ところが、強磁性体となるSrRuO_3では、強磁性転度温度T_C以下で“インバー"効果を示し、ほとんど一定値となる。酸化物でこのような“インバー"効果が示されたのは初めてであり、電子相関の観点からも重要な発見である。現在、論文を投稿中である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] H. Aruga Katori: "Field-induced valence transition in YnIn_<1-X> Ag_X Cu_4" J. Magn. Magn. Mat.140-144. 1245-1246 (1995)
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[Publications] H. Kageyama: "TN Dependence on Hole Concentration in the La_<2-X>Sr_XCuO_<4+δ>System" J. Phys. Soc. Jpn.64. 2144-2146 (1995)
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[Publications] M. Nakanishi: "Superconducting Interlayer Coupling of NbN/X (X=Ag, CN_X) Multilayered Films" Physica C. 253. 33-38 (1995)
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[Publications] K. Yoshimura: "Superconducting Properties of the La_<1-X>Ba_<2-X>Cu_3O_YSystem" Proceedings (ISS'94), Advances in Superconductivity VII. 1. 377-380 (1995)