1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07405008
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (A)
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
清水 真佐男 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (90051565)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 裕久 慶應義塾大学, 理工学部, 専任講師 (70218303)
小茂鳥 潤 慶應義塾大学, 理工学部, 専任講師 (30225586)
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Keywords | 疲労 / 高サイクル疲労 / ガスフレーム溶射 / 溶射皮膜 / 溶射欠陥 / 再溶融処理 |
Research Abstract |
本研究では,構造用圧延鋼を基材としてガスフレーム法によりCo基自溶合金を溶射処理した試験片について回転曲げ疲れ試験を行い,疲労特性・破壊機構におよぼす皮膜組織の影響について検討・考察を加えた。得られた結論を以下に示す。 (1) Co基自溶合金(ステライトNo. 6SF)をガスフレーム法により溶射処理した試験片の場合,疲労寿命のばらつきが非常に大きく,S-N曲線はもとより通常の鉄鋼材料に認められるような疲労限度は定め得ない。かかる疲労寿命のばらつきをもたらす要因のひとつとして,個々の試験片で溶射皮膜の性状が著しく異なることが挙げられる。 (2)溶射粉末中にNiCr粉末を加えることにより,溶射部材の疲労強度(10^7回の時間強度)は低下する。これは,NiCrを混入することにより,溶射粉末の融点が上昇し,積層処理後の再溶融処理の効果が不十分となる結果,皮膜組織中に多数の溶射欠陥が残存するようになる為と考えられる。 (3)疲労き裂は皮膜組織中に存在する溶射欠陥を起点として発生する。したがって,積層処理後に適切な条件で再溶融処理を施すことによって,皮膜組織中の欠陥を減少させ,溶射部材の疲労強度(107回時間強度)を向上させることが可能である。
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