1997 Fiscal Year Annual Research Report
飲料のおいしさ・香りの良さを検出する総合センサ系に関する研究
Project/Area Number |
07405021
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
森泉 豊栄 東京工業大学, 工学部, 教授 (80016534)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 寛 東京工業大学, 工学部, 助手 (80293041)
中本 高道 東京工業大学, 工学部, 助教授 (20198261)
野村 徹 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (50052858)
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Keywords | 匂いセンサ / 味センサ / センシングシステム |
Research Abstract |
今年度は、弾性表面波(SAW)素子による液体サンプル評価法、匂いセンサ用吸着膜の改良、液体フロー匂いサンプル測定系について研究を行った。味センサの開発に当たっては液体の粘性特性を測定・評価することは重要である。そこで、36°回転Y板X伝搬LiTaO_3基板上に種々の交差指電極を設けたSAW素子を作成し、基板表面に対して水平方向の粒子変位を持つSH(Shear Horizontal)モードの表面波を励振し、粘性液体を付加した場合の減衰変化より粘性を測定した。グリセリン水溶液(測定濃度範囲:0%-80%)、およびエタノール水溶液(測定濃度範囲:0%-100%)について測定したところ、前者については文献値から得た粘性変化と定性的に一致し、後者については濃度による微少な粘性変化を測定出来た。水晶振動子上吸着膜の設計は匂いセンサの特性向上には不可欠である。本年は分子imprinting法と自己組織化膜法の組み合わせ、匂い分子に即した分子錯型を持つ吸着膜を形成することに成功した。具体的には、数種類のチオール化合物のエタノール水溶液中に検出目的の匂い分子を混ぜ、その溶液中に水晶振動子の金電極を浸すことにより、その匂いに対する吸着特性が向上することが確認された。味、匂い液体サンプルはフロー状態で測定されることが多い。味と匂いを総合する測定系の開発のためにフロー系を試作した。匂いサンプルを供給する液体フロー系、匂いセンサ、内部ヘッドスペースの空気を液体の流出入に合わせて置換する系をセンサセルに実装し、高速に匂いサンプルを測定できることを確認した。
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[Publications] 野村徹: "マルチモードSAWによる液体の音強的特性評価" 信学技報、TECHNICAL REPORT OF IEICE. US97-74. 7-12 (1997)
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[Publications] 野村徹: "SH=SAW遅延線による液体の音響的特性の評価" 日本音響学会講演論文集. 871-872 (1997)
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[Publications] 斉藤敦史: "分子膜構造が水晶振動子匂いセンサ応答特性へ与える影響" 信学技報、TECHNICAL REPORT OF IEICE. OME97-55. 57-62 (1997)
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[Publications] 斉藤敦史: "混合チオール化合物感応膜を用いた水晶振動子匂いセンサ" 電気学会研究会センサ・マイクロマシン部門総合研究会. 25-29 (1997)
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[Publications] Y.Niwa: "Study of Active Odor Sensing System with Blender in Liquid Phase" Technical Digest of the 15Th Sensor Symposium. 217-220 (1997)
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[Publications] T.Nakamoto: "Active Odor Sensing System" IEEE International Symposium on Lndustrial Electronics. Vo.1053. SS128-SS133 (1997)