1995 Fiscal Year Annual Research Report
浄水過程の消毒・酸化処理による副生成物の制御と安全性評価手法の開発
Project/Area Number |
07405025
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (A)
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Research Institution | 国立公衆衛生院 |
Principal Investigator |
真柄 泰基 国立公衆衛生院, 水道工学部, 部長 (60083739)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅見 真理 国立公衆衛生院, 水道工学部, 研究員 (90260265)
相澤 貴子 国立公衆衛生院, 水道工学部, 室長 (10192832)
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Keywords | 水道 / 消毒 / 副生成物 / 塩素 / オゾン / 二酸化塩素 / クロラミン / 安全性評価 |
Research Abstract |
浄水過程における消毒・酸化処理は,水道水の安全性を保ち,処理性を高めるために以下のような効果が期待されている.すなわち,1)飲料水の殺菌,2)ろ過池の閉塞を促進する藻類や生物の抑制,3)凝集性を高める鉄・マンガンの酸化,4)異臭味物質の分解,5)副生成物の前駆物質の分解(活性炭の処理性の向上)などである.これらの消毒・酸化処理において,このような効果と副生成物の制御を目的として,最適化を行わなければならない. 実験プラントでの実験を行い,消毒剤の種類による比較,消毒剤の注入量やプロセスの制御法による消毒副生成物の生成状況について考察を行った.消毒剤として用いた,塩素,オゾン,二酸化塩素,クロラミンの比較においては,クロラミン以外は良好な消毒効果と鉄マンガンの酸化効果,異臭味の分解効果を示し,塩素以外で副生成物の生成濃度は低いことが明らかになった. 副生成物の濃度レベルは,原水の水質に大きく依存しており,特に海水の浸入を受けやすい水域で臭化物イオンの存在は,副生成物の種類や濃度に大きな影響を及ぼしていることが分かった. 高度処理の一つとして各地の浄水場でオゾン処理が導入されているが,その副生成物として,臭化物イオンを起源とする臭素酸イオンの生成を国内初の実態調査で確認した.これまで得られた毒性データからも,臭素酸イオン濃度は,重要な安全性評価指標の一つとなり得ると考えられる.
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