1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07405050
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
牛島 恵輔 九州大学, 工学部, 教授 (00038001)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水永 秀樹 九州大学, 工学部, 助教授 (40226246)
宮入 誠 石油資源開発(株), 技術研究所, 主任研究員
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Keywords | 石油増進回収法 / パソコンによる自動計測 / 流動電圧 / 比抵抗 / 4次元探査法 / 3次元インバージョン解析 / 浸透流の可視化 / 非線形最小二乗法 |
Research Abstract |
一般に石油坑井の掘削により石油鉱床から回収できる原油は,原始埋蔵量の20%程度であると考えられている。このため,炭酸ガス攻法,水蒸気圧入による石油強制回収法が世界中の油田で実用化に向けて研究されている。しかし,このような石油増進回収法を効率的に実施するためには,地下の浸透率の情報を的確に把握することが不可欠である。しかし,従来の物理探査法は静的な物理現象の計測を目的としており,EOR攻法のように時空変化する動的な対象に対しては適用できなかった。したがって,本研究では,まずEOR攻法時に地下深部で発生する電磁波の擾乱現象に着目して,浸透流の動的な挙動をパソコンを利用して自動的に計測して可視化するシステムを世界で初めて開発した。次いで,この時得られる流動電位の分布を任意の3次元モデルを仮定してインバージョン解析するプログラムを研究開発した。さらに,この新しい概念の4次元(空間,時間)探査法を,実際に流体注入や水圧破砕実験と同期して実施することにより,地下深部の流体挙動をリアルタイムに可視化することに成功した。なお,これらのデータ解析結果を,微小地震観測による探査結果と比較検討したところ,両者のデータ解析によって決定されるソースの位置(x,y,z)およびフラクチャーの分布は,走向および傾斜共にほとんど一致することが検証された。 平成9年度は,本研究で購入した電磁波動の観測システムおよび地震波動の観測システムを併用して,坑井から地下深部へ流体を注入する場合に発生する微小地震を的確に捉え,フラクチャーの分布および進展状況(経時変化)を地表からの物理計測によってモニターし,地下浸透流をリアルタイムに画像化する4次元探査法を確立する。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 橋本幸治・牛島恵輔他: "電気探査法によるフラクチャー探査-SPデータの3次元解析" 九大地熱研究報告. 第5号. 106-120 (1996)
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[Publications] 奥野雅人・牛島恵輔他: "八丁原地熱地帯のMT法探査" 九大地熱研究報告. 第5号. 91-105 (1996)
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[Publications] 増田一夫・牛島恵輔他: "電気探査法による石油強制回収法のモニタリング" 九大地熱研究報告. 第5号. 121-133 (1996)
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[Publications] Mizunaga,H.,Ushijima,K.,: "Fluid Flow Monitoring System of a Geothermal Reservoir21GC04:The Memoirs of the Faculty of Engineering" Vol55,No.4. 505-512 (199)
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[Publications] Prihadi,S.,Ushijima,K.,: "Explorotion of Geothermal Resoarces in Lahedong Area, North Salawesi,Indonesia" The Memoirs of the Faculty of Engineering. Vol56,No.3. 171-186 (1996)
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[Publications] Monsour,M.,Ushijima,K.,: "Interpretation of Aeromagnetic Data Over the Area in the Western Desert of Egypt" The Memoirs of the Faculty of Engineering. Vol.56,No.3. 187-211 (1996)
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[Publications] 牛島恵輔(分担執筆): "大宰府史跡 平成7年度発掘調査概報" 九州歴史資料館, 160 (1996)
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[Publications] 水永秀樹・牛島恵輔(分担): "文部省化学研究費補助金,重点領域研究,遺跡探査,第5回論文集" 奈良国立文化財研究所, 318 (1997)