Research Abstract |
室内実験として,PH1,2,3,4,5,6の硫酸溶液による劣化試験と二酸化炭素による複合劣化試験を実施した.硫酸腐食は溶液中にそれぞれ供試体を6本づつ入れ,8週おきに重さ,長さ,直径,超音波伝搬速度,ピン貫入深さを測定した.その後,グループごとに1本を割裂し,目視観察,中性化深さ,断面pH,三酸化イオウの含有量,電気伝導度,X線回折などを表面からの深さごとに調べた.二酸化炭素による腐食は,二酸化炭素を2,4,6kgf/cm^2の圧力で封入した容器,及び硫酸ナトリウム,塩化ナトリウム,リン酸アンモニウム,硫酸アンモニウムの各溶液に二酸化炭素を2kgf/cm^2加圧した容器に3本づつ供試体を入れ、4週おきに同様の劣化程度を調べた.そして適宜供試体を割裂し,同様な断面調査を行った. 現場調査は,2ヵ所の下水処理場の最初沈殿池で実施した.コンクリート劣化部除去法としてサンドブラストと高圧水洗を採用し,表面劣化部を除去後,ピン貫入深さ,反撥硬度,表面引張強度などを測定した.また,コアを抜き,断面pH,電気伝導度,X線回折などを処理表面からの深さごとに調べた. その結果,コンクリート劣化部を正確に判定するために化学的劣化指標を用いることを提案した.化学的劣化指標には,断面pH,電気伝導度,三酸化イオウの含有量,X線回折強度が考えられ,それぞれの劣化に関する閾値を検討した.コンクリート劣化部の除去方法も,化学的劣化指標により評価され,超高圧水洗処理の優位性を示した.
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