1995 Fiscal Year Annual Research Report
安定同位体によるマグネシウム及び微量元素のヒトにおける必要量の決定
Project/Area Number |
07407012
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (A)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
糸川 嘉則 京都大学, 医学研究科, 教授 (80025593)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江指 隆年 国立健康, 栄養研究所, 部長 (80191922)
横井 克彦 京都大学, 医学研究科, 助手 (10200883)
木村 美恵子 京都大学, 医学研究科, 助教授 (60025658)
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Keywords | 亜鉛欠乏 / 安定同位体 / 血漿亜鉛消失速度定数 / 血清フェリチン濃度 / ICP質量分析計 / 血漿亜鉛濃度 / クラスター分析 |
Research Abstract |
本年度は軽度の亜鉛欠乏状態を把握する指標を見いだすため推定するため、米国女性を対象に血漿亜鉛消失速度定数を亜鉛安定同位体を用いて測定する方法を検討した。即ち亜鉛安定同位体^<67>Zn2mgを静脈内投与し、投与前、投与後30、40、50、60分に採血し、ICP質量分析計により亜鉛同位体比を測定した。^<67>Zn、^<68>Zn比から投与前値を減じ、片対数プロットした直線の傾きから血漿亜鉛消失速度定数を求めた。血漿中亜鉛濃度は原子吸光、血清フェリチン濃度はRIA法で測定した。その結果、血漿亜鉛消失速度定数と血清フェリチン濃度によって張られる2次元の分布上の標準化ユークリッド距離を非類似度とするクラスター分析(最近隣法)によって4つのクラスター(C-1,C-2,C-3,C-4)が識別され、多変量分散分析にてクラスターの平均ベクトル間に有意差が認められた。血清フェリチン濃度はC-1に比較してC-3およびC-4の方が低値であった。血漿亜鉛消失速度定数はC-1が最も低値、C-3が最も高値であり。C-2とC-4はその中間であった。血漿亜鉛消失速度定数は血清フェリチン濃度23ng/ml以上(C-1)では正常範囲は、血清フェリチン濃度23ng/m1未満(C-2、C-3、C-4)では亜鉛欠乏の範囲に分布した。C-1に比較してC-4の平均赤血球容積は低値をとった。貯蔵鉄量が低下している場合は亜鉛の栄養状態も悪くなっていることが示唆された。血漿亜鉛濃度はクラスター間に認められず、血漿亜鉛消失速度定数よりは亜鉛栄養状態を推定する指標として劣ることが推測される。
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