1996 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトSTR-DNA多型、HGH及びD1S53両システムの研究
Project/Area Number |
07407014
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
支倉 逸人 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (40049789)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 慶太 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (00280975)
米村 勇 東京医科歯科大学, 医学部, 講師
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Keywords | STR / HGH / DIS53 / DNA polymorphism / Forensic genetics |
Research Abstract |
HGH型においては、平成7年度において日本人における対立遺伝子を特定する為に日本人家系試料からゲノムDNAを抽出し、それらを用いてHGH多型領域のPCR増幅を施し、更にその増幅フラグメントの塩基配列を解析した結果、HGH多型領域の遺伝様式に問題はなく、又繰り返し基本単位となる遺伝子の塩基配列は、報告されていた白人のものと異なり、3'末のユニットにおける点突然変異により更に複雑な構造をとっていた。その成果をもとに平成8年度においても日本人特異的対立遺伝子の特定を継続したところ、これまでにPCR増幅鎖長による13種の表現型と、それらを塩基配列によって分類した24種の遺伝子型が検出され、又ヘテロ接合度も表現型及び遺伝子型で90%以上であった。これにより、HGH型が日本人において高多型性であるシステムである事が証明され、今後の解析によって更に新しい対立遺伝子が検出される事が見込まれる。又繰り返し基本単位が日本人と報告されている白人のものとで異なっているが、これは、従来形態学的にしか推測が困難であった人種特定のマーカーとして高い有用性が期待される。次に法医実務性を高める為、遺伝子頻度の迅速且つ簡便な検出法として、表現型Allelic Markerの作成を試みた。その結果、現在までに10種の対立遺伝子に対応するMarkerが完成しており、尚開発中である。 D1S53型に関しては、繰り返し基本単位が2塩基と小さい為、法医学的試料である陳旧化あるいは微量の試料から採取した低分子化したDNAでも、検査に用いる事が可能となるが期待され、平成7年度から解析に取り組んできた。しかし、2塩基を単位とする多型領域のPCR増幅では、従来から一般的に指摘されている合成酵素の読み違いによるSlipping等による非特異的増幅産物の存在を考慮し、エラー率の低い酵素を各種用いて検討を行っている、又増幅産物の検出法も蛍光法等によるものを検討している。
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