1995 Fiscal Year Annual Research Report
臓器相関からみた嚥下機能と呼吸調節に関する集学的研究
Project/Area Number |
07407016
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (A)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福地 義之助 東京大学, 医学部(病), 助教授 (80010156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木田 厚瑞 東京都老人医療センター, 部長 (90142645)
松瀬 健 東京大学, 医学部(病), 助手 (90199795)
滝沢 始 東京大学, 医学部(病), 助手 (80171578)
田山 二朗 東京大学, 医学部(病), 講師 (50221403)
西川 潤一 東京大学, 医学部(病), 助教授 (00010322)
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Keywords | 嚥下性肺疾患 / 嚥下機能 / 臓器相関 / 呼吸調節 |
Research Abstract |
1.嚥下性肺疾患(APD)に関する臨床疫学調査を行った.東京都老人医療センターでの前向き研究の結果,5ケ月間(2012例)の全入院例の観察中に誤嚥・窒息例30,嚥下性肺疾患30の60例(2.5%)APDが観察された.一定日の全入院例の横断的調査ではAPDは13.4%に達した.基礎病態は脳血管障害,痴呆,悪性腫瘍が大多数を占めた.今後は痴呆と日常生活能(ADL)の個別的影響に焦点をあてて検討を続ける. 2.嚥下誘発テスト(SPT)施行例の中から予後を平均2年以上追跡した94例について,予後とSPTの異常の関係を解析した.その結果,潜時の延長,閾値上昇,咳反射を伴う誤嚥のいずれもが,SPT正常例に比べて肺炎死亡のリスクがほぼ10倍もの高い値を示した.また,SPTとビデオ透視撮影の同時施行例が28例に達したので次年度は,両検査法の検出する異常のつき合わせを検索することが可能となった. 3.嚥下圧・咽頭食道X線透視同時モニター(manofluorography)の実用化が完成し臨床応用に進んだ.嚥下時の咽頭-食道入口部の圧変化(3点)と造影剤の進入画像を同一画面に表示し,コンピユタ-プログラムにより解析できるようになった.これを用いて今年度は若年健常者でも造影剤の粘調度の変化により嚥下運動に適応反応がみられ,高齢者では,その減退が示唆されることが判明した.今後はSPTとの関連性を含めて研究を進める. 4.全身性強皮症(PSS)には高率に食道機能障害が合併する.今年度検討した40例のPSS例の10%(4例)に嚥下性肺炎が観察された.次年度は,SPT,Manofluorographyによる評価例を含めて検討する. 5.嚥下運動の脳PETスキャンによる検討 まず正常の嚥下運動がPETスキャンで脳内局在巣として描出できるか否かの予備的検討を行った.反復嚥下(2〜3秒毎)の45秒以上の持続中にH_2^<15>Oの静注による脳賦活試験を施行する予定である.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 木田厚瑞: "高齢者の下気道感染症:病態と治療" 日気食会報. 45. 376-381 (1994)
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[Publications] K.Marumo,S.Homma and Y.Fukuchi.: "Postgastrectomy Aspiration Pneumonia." Chest.107. 453-465 (1995)
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[Publications] T.Nagase,E.Ohga,E.Sudo,H.Katayama,Y.Uejima and Y.Fukuchi.: "ICAM-1 mediates acid aspiration-induced lung injury." Am.J.Crit.Care.Med.(in press). (1996)