1995 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚におけるT細胞の胸腺外分化についての発生学的検討
Project/Area Number |
07407024
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (A)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
玉置 邦彦 東京大学, 医学部(病), 教授 (30010432)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝比奈 昭彦 東京大学, 医学部(病), 助手 (50202601)
中村 晃一郎 東京大学, 医学部(病), 助手 (60175502)
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Keywords | T細胞 / 胸腺外分化 / 皮膚 / マウス |
Research Abstract |
我々は、マウスの真皮にこれまで気づかれていなかったThy-1陽性樹状細胞が存在するのに気づいた。この細胞(dermal Thy-1tdendrihc cello,dermal Thy-1^+DC)はCD45を発現し、一部のものではγδ T cell recoptor(TCR)及びV_<63>TCRを発現していた。Dermal Thy-1^+DCは、しかし、Dendrihc epidermial Tcell(DETC)とは形態学的にも、加令による変化、ステロイドに対する反応性についても異なっており、皮膚に新しく見出されたT細胞と考えられた(文献1.K.Tamaki et al.JID in press)。このdermal Tny-1^+DCの発生学的検討を行なったところ、マウス胎仔皮膚においてαβTCR^+T cell,γδ TCR^+T cellが16日目の胎仔に多数存在することが明らかとなった。このうち表皮内のγδ TCR^+ cellは次第に増数し、γδTCR^+のDETCとなることが示唆された。また表皮内のαβTCR^+cellは次第に減少しαβTCR^+のDETCとなることが示唆された。一方、真皮内のαβTCR^+cell,γδTCR^+cellは次第に減少し、新生ではほとんど認められなくなることが示された。これらの一連の研究はC57Bl/6を用いての検討であったが、同様の検討をC3H/Heマウスについて行なったところ、胎仔期〜新生仔期にかけて同様の変化のみられることが明らかになった。これらの結果より胎仔期におけるT細胞の皮膚での存在とその変化については明らかにされたと考えている。現在は皮膚のシート(表皮シートと真皮シート)どの検討の他に皮膚の垂直切片を用いることによって皮膚の構造の形成とこれらのT細胞の変化との関係を明らかにしようと考えている。トランスジコニックマウスの皮膚での検討はMCP-1 Tg,IL-7Tgが使えるのでそれによる検討を予定している。
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