1996 Fiscal Year Annual Research Report
神経発達障害仮設にもとづく精神分裂病の分子遺伝学的研究
Project/Area Number |
07407028
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
南光 進一郎 帝京大学, 医学部, 助教授 (60101127)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
功刀 浩 帝京大学, 医学部, 助手 (40234471)
広瀬 徹也 帝京大学, 医学部, 教授 (10101742)
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Keywords | 神経発達障害 / 精神分裂病 / CNTF / 変異 |
Research Abstract |
神経発達障害仮説にもとづき、平成8年度は候補遺伝子として、神経成長因子ファミリー遺伝子群のうちciliary neurotrophic factor(CNTF)遺伝子をとりあげた。CNTFは海馬を中心として中枢神経系に広く分布し、神経細胞の生存に関与し、分裂病の神経発達障害仮説の候補遺伝子と考えられる。CNTFには、すでにTakahashi et al.(1994)によって、null mutationが発見されている。そこでこの変異と分裂病との関連を検討した。138名の分裂病者と140名の対照について、当該領域をPCRによって増幅し、制限酵素HaeIIIによって切断した。これによって、wild type alleleは切断され、variant type alleleは切断されない。その結果、分裂病群と対照群とにアリルの頻度に差はなかった。次に発症年齢25歳以下と25歳以上に分けた場合と、家族負因の有無で分けた場合で対照群との頻度を比べたが、いずれも差はなかった。したがって、CNTF遺伝子のこの変異が分裂病となんらかの関与をしている可能性は少ないと考えられた。 これとは別に、平成7年度に検討した脳由来成長因子(BDNF)遺伝子については、その結果を投稿し、受理された。
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Research Products
(1 results)