1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07407041
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
佛淵 孝夫 九州大学, 医学部, 講師 (40190219)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣田 良夫 九州大学, 医学部, 助教授 (20080624)
居石 克夫 九州大学, 医学部, 教授 (70108710)
|
Keywords | Case-Control Study / ステロイド / ステロイドパルス療法 / 大腿骨頭壊死症 / 過凝固状態 / 脂質代謝異常 / MRI |
Research Abstract |
1)危険因子の疫学的検討 SLE患者における大腿骨頭壊死症の発生危険因子解析を、全国多施設間でのCase-Control Studayにより行った。この結果SLE患者において、ステロイド一日平均投与量が16.6mgを超える場合、およびパルス療法が1回ある場合は骨壊死発生危険率が有意に増加することがわかった(パルス療法1回目で壊死発生の有無がほぼ決定されることを示唆する)。逆にステロイド総投与量は骨壊死発生には有意な関係がなく、少量の長期投与は本症発生には影響が少ないことも明らかとなった。 2)骨壊死発生機序の解明および予防法の開発 Shwartzman型骨壊死モデルにおける抹消血中および骨髄内の各種サイトカインについて検討した結果、組織因子(TF)、Plasminogen activator inhibitor-1(PAI-1),Interleukin-1が早期に有意に増加していることが確認された。またin vitroの実験系にて、ステロイド投与はLPS刺激下においてTFおよびPAI-1のmRNAの発現を亢進させることをNorthern blotting法により明らかにした。このことより、動物実験系において骨壊死の発生にはTF,PAI-1の発現増加による過凝固状態の亢進と線溶系の抑制の関与が重要であることがわかった。さらにステロイド単独での骨壊死発生モデルの開発にも世界で初めて成功し、このモデルの病態解析により凝固系のみならず脂質代謝異常と骨壊死発生との関与を示唆する所見を得ている。これら2つの実験モデルを用いて、最大の目標である予防法について現在検討中である。 3)MRIによる超早期診断 剖検時採取骨頭での病理組織像とMRIとの比較により、MRIは骨壊死層に対するfoam cellの集族や脂肪細胞壊死といった極めて早期の修復反応を認識可能であり、従来のレントゲン的診断に比べ骨壊死発生の有無を極めて早期に同定できることを人体において初めて証明した。
|
-
[Publications] Yoichi Sugioka et al.: "Treatment of osteonecrosis of the femoral head by transtrochanteric rotational osteotomy." Handbook of American Academy of Orthopaedic Surgery. (発表予定). (1997)
-
[Publications] Takuaki Yamamoto,et al.: "The pathogenesis of osteonecrosis based on animal models." Handbook of American Academy of Orthopaedic Surgery. (発表予定). (1997)
-
[Publications] Yoshio Hiroata,Y.Sugioka,et al.: "The etiology of idiopathic and steroid-induced osteonecrosis in Japan." Handbook of American Academy of Orthopaedic Surgery. (発表予定). (1997)