1997 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌患者におけるCGH法による癌遺伝子診断及び予後に影響を与える遺伝子の検
Project/Area Number |
07407056
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
天笠 光雄 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (00014332)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 英治 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (20221541)
岩城 博 東京医科歯科大学, 歯学部, 講師 (70107308)
土田 信夫 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (60089951)
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Keywords | Comparative Genomic Hybridization (CGH) / 口腔(扁平上皮)癌 / 染色体 / DNAコピー数 / 癌悪性度 / リンパ節転移 |
Research Abstract |
CGH法が口腔癌の臨床検体で使用できるかどうかを検討するため、始めに正常細胞の混入のない培養細胞株17例でCGHを行い、その後手術的に得られた癌組織4例についても同様に施工した。 その結果、培養細胞株17例でCGHにより認められた共通DNA増幅領域は、染色体1q21、3q25-27、5p、7p11.2-p12、7q21、8q22-q26、10q21、11p13-p14、11q13、13q33、14q、20q13、22q11.2であり、臨床検体4例では3q、5p、5q、7p、7q、8q、11p、11q、13q、20pにみられた。一方、DNA欠失領域もみられたが、多くの症例に共通してみられる領域はなかった。また臨床検体とそれ由来の培養細胞株の比較においては、細胞株においてみられたDNAコピー数の変化は臨床検体でみられた変化を反映していた。 これらの結果に基づき、egfr(7p21),hst-1(11q13)をプローブとして、CGHの結果とサザンハイブリダイゼーションの結果を比較したところ、強い相関性を認めた。したがってCGHでみられる増幅領域ではその領域に座位している癌遺伝子も増幅していることが示唆された。 さらに臨床検体18例のCGH解析から、WHO Gradeが上がるにつれて8q24が増幅、9p21、11p11-13、18q21が欠失する傾向がみられ、転移症例においては3q26、7q12-21の増幅、18q21の欠失する傾向がみられた。 以上のことから口腔癌における癌の進展に関与する領域がCGH法によって検索でき、また頚部リンパ節転移のリスクをCGH法によってスクリーニングができることが示唆された。
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[Publications] Komiyama,T.: "Comparison of DNA Copy Numbers in Original Oral Squamous Cell Carcinomas and Corresponding Cell Lines by Comparative Genomic Hybridization" Japanese Journal of Cancer Research. 88・5. 476-483 (1997)
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[Publications] 小宮山高之: "Comparative Genomic Hybridization法を使用した口腔扁平上皮がんにおけるDNAコピー数異常領域の検索" 口腔病学会雑誌. 64・2. 387 (1997)