1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07407063
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
入村 達郎 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (80092146)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 一夫 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (20174782)
今井 康之 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (80160034)
|
Keywords | ムチン / 糖鎖 / 細胞接着 / レクチン / 癌転転 / 白血球 / マクロファージ / O-グリコシレーション |
Research Abstract |
本研究の目標は、数多くのO-結合型糖鎖を含む細胞表面分子であるムチンの、ペプチド部分と糖鎖部分各々の生合成制御と、ムチン発現に伴う細胞表面のパターン変化、さらにその結果としての細胞交通の変化を査定することにある。本年度はムチンのグリコシレーションとこれを認識する分子であるレクチンに関する次のような成果を得た。(1)マウス卵巣癌細胞のリンパ節転移が、マクロファージの発現するC型レクチンとの相互作用によって制御されることを明らかにした。また、マウス卵巣癌細胞表面のマクロファージC型レクチンのリガンドとなる分子を同定した。(2)ヒトMUC2ムチンのコアペプチドに、N-アセチルガラクトサミンを転移させ、ムチンをひな形とするO-グリコシレーションライブラリーを作成した。この過程で、ペプチド上で連続するスレオニンがすべてO-グリコシレーションを受けるが一つおきのスレオニンはすべてにN-アセチルガラクトサミンが付着するわけではないことを明らかにした。(3)これらのO-グリコシレーションライブラリーの一部と、ヒトマクロファージC型レクチンとの相互作用をプラスモン共鳴法で解析した。複数のN-アセチルガラクトサミンを持つペプチドは、マクロファージレクチンとのアフィニティーが高いことが明らかとなった。(4)マウス大腸癌細胞で、高い肝転移性を有するものを得た。これに蛍光蛋白遺伝子を発現させ細胞画像解析装置及び共焦点レーザー顕微鏡による解析をおこなった。肝臓への滞留と臓器内分布は、高い転移性を持つものとそうでないものとの間で差異が見られなかった。(5)ヒト大腸の産生する硫酸化ムチンに特異的なモノクロナル抗体91.9Hが、硫酸化ルイスa糖鎖を認識することを発見した。(6)ヒト大腸癌細胞表面の伸長型シアリルルイス-X糖鎖が、肝臓に発現する接着分子に結合することを見いだした。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Mizuochi,S.: "Unique tissue distribution of a mouse macrophage C-type lectin." Glycobiology. 7. 137-146 (1997)
-
[Publications] Nakamori,S.: "Expression of carbohydrate antigen sialyl Lea:a new functional prognastic factor in gastic cancer." J.Clin.Oncol.15. 816-825 (1997)
-
[Publications] Yamamoto,K.: "Sialic acid-binding motif of Maackia amurensis lectins" J.Biochem.121. 756-761 (1997)
-
[Publications] Nakamori,S.: "In volvement of carbohydrate antigen sialyl Lewis-X in colorectal cancer metastasis." Dis.Colon.Rectum.40. 420-431 (1997)
-
[Publications] Satoh,A.: "Modulation of cell sorface lectin receptors on K562 human erythroleukemia cells induced by transfection with annexin IVcDNA." Febs.Let.405. 107-110 (1997)
-
[Publications] Koike,C.: "Tumor cells with organ-specific metastatic ability shows distinctive trafficking in vivo:analyses by positron〜." Can.Res,. 57. 3612-3619 (1997)