1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07407064
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (A)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中堀 豊 東京大学, 医学部(医), 助教授 (10172389)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸田 達史 東京大学, 医学部, 助手 (30262025)
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Keywords | Y染色体 / DNA多型 / SRY遺伝子 |
Research Abstract |
ヒトの遺伝子研究が進むにつれて,正常個体であればその材料は何でもよかった時代から,民族や個人の違いを比較できるまでに進んできている。しかし,従来の分子生物学的な研究,ゲノムの研究は日本においてさえ,主として白人種由来の材料を用いて行われてきており,日本人材料の整備は全く不十分である。本研究の目的は,日本人由来の遺伝子研究材料を整備し,Y染色体の構造と機能の研究を日本人由来の材料で行うことである。 本年度は,代表的日本人を明らかにする目的でY染色体の多型について解析した。Y染色体は多型の少ない染色体であるとの報告があるが,今回の研究で新しい2つの多型を発見した。1つは睾丸決定因子SRYのエキソン内の同義置換であり,現在のところ日本人集団でだけ見られる。もう一つは,XY相同性をもった領域内の(CA)リピートであるが,これはX染色体とY染色体でリピート数の分布範囲が異なることが分かった。こちらの多型は,白人,黒人,アジア人の全てに見られる。また,従来から知られていた47Z多型の解析方法をPCR法をもちいた簡便なものに改善した。これらに加えて,他の研究者らが発表したYAP多型を解析した。これら4つの多型を解析し,染色体のハプロタイプ化を行ったところ,日本人のY染色体を5つのタイプに分けることができるようになった。Y染色体のルーツを追うために,これらのハプロタイプを韓国人においても解析している。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Nakahori,Y: "The incidence of the fragile X syndrome in Japanese.(Commentary)." Brain & Development. 17. 322-322 (1995)
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[Publications] Iwamoto.T.,Nakahori,Y.: "Pericentric inversion with a minute deletion of the Y chromosome." Clin.Genet.48. 272-274 (1995)
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[Publications] Okada.T.,Nakahori,Y.: "46,XY female karyotype containing SRY." Clin.Pediatr.Endocrinol. 4. 103-107 (1995)
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[Publications] Ogata.T.,Nakahori,Y.: "Chromosomal Iocalization fo a Y-specific growth gene(s)." J.Med.Genet.32. 572-575 (1995)
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[Publications] Muroya.K.,Nakahori,Y.: "Refinement of the locus for X-linled recessive chondrodysplasia punctata by genotype-phenotype correlations." Hum.Genet.95. 577-580 (1995)
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[Publications] Shiojima,I.,Nakahori,Y.: "Assignment of Cardiac-specific homeobox gene CSX to human chromosome 5q34." Genomics. 27. 204-206 (1995)
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[Publications] 中堀豊: "遺伝性疾患の遺伝子診断 眼科学体系10A目の発生と遺伝" 中山書店, 97-106 (1995)
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[Publications] 中堀豊: "(翻訳)遺伝病 病態で学ぶ免疫遺伝学" 丸善(in press), (1996)