1997 Fiscal Year Annual Research Report
消化管癌の効率的検出を目標としたデジタルX線画像処理の研究
Project/Area Number |
07407075
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
稲本 一夫 大阪大学, 医学部, 教授 (00068446)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原内 一 大阪大学, 医学部, 助手 (20243256)
田村 進一 大阪大学, 医学部, 教授 (30029540)
城戸 良弘 大阪大学, 医学部, 教授 (20116023)
小縣 裕二 大阪大学, 医学部, 助手 (60281127)
松本 政雄 大阪大学, 医学部, 助教授 (50149944)
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Keywords | 消化管癌 / 食道癌 / 病変検出 / X線画像 / デジタル画像 / 画像処理 / 画像強調 / 高精細画像 |
Research Abstract |
本年は最終年に当たり、過去2年間にわたり研究を行ってきた早期の食道癌、胃癌のX線像の画像処理の成果を実際のX線透視検査に応用することとした。 第1に、食道の透視像を画像処理し、診断情報としての価値を高め、撮影像のもつ情報量に近付けることにした。18症例のVTR像で測定の結果、透視を行っている時間(透視時間)ならびにその内で造影剤によって食道が造影されている時間(造影時間)は正面像では個体差があるが第1、第2斜位像では比較的差が少なく、正面は食道がバリウム充満像、第1斜位は食道上部が二重造影、下部が充満像、第2斜位はバリウムが胃へ排出し二重造影となっていることがわかった。第1斜位の透視時間10.1±6.4秒、撮影のタイミングは3.12±0.95秒、第2斜位では10.01±6.3秒、3.84±1.54秒で、略一定している。このことは食道造影撮影が定式化していて、適当な時間の透視画像を自動的に抽出できることを示している。食道癌の画像処理方式は、エンボスフィルター、アンシャープマスクフィルターが比較的高い評価が得られた。斜位の透視像を3〜4秒でフリーズし、これらの画像処理を加えれば、撮影像に比し不鮮明な食道の辺縁やノイズが多く不明瞭な粘膜像を見やすくし、診断に供することができる。さらに球面処理を加えることで小病変の強調もできる。 第2に本年購入した消化管ファントムを使用し、バリウム濃度を下げ、画像処理で画質を改善する実験を行った。3種類のバリウムを使用し、50〜150%で25%ステップでのテストの結果、バリコミール使用では50%でも濃度反転、ハイパス処理、輪郭強調、エンボス処理で画像強調され診断機能が改善されることがわかり、飲みやすいうすいバリウム開発への途が開かれた。その成果は平成10年4月の第57回日本医学放射線学会総会で発表する予定である。
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[Publications] 稲本一夫: "消化管癌の効率的検出を目標としたデジタルX線画像処理の研究" INNERVISION. 12・8. 13 (1997)
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[Publications] 稲本一夫: "デジタルX線画像処理の応用-食道癌の検出を目的に-" 映像情報. 30・4. 189-193 (1998)
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[Publications] 稲本一夫: "上部消化管検査で病変の効率的検出を目標とした画像処理の研究" 日本医学放射線学会雑誌. 58・2. 244 (1998)
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[Publications] Inamoto K: "Advances in gastric cancer detection through augumented medical imaging" Gastro Santo Domingo 97. 51-52 (1997)
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[Publications] Inamoto K: "Computer application for detection of malignancies on gastrointestinal radiographs" Medical & Biomedical Engineering & Computing. 35・2. 698 (1997)
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[Publications] 中川政敏: "食道X線画像に対する最適な画像処理法" 日本医学物理学会誌(第15回研究発表会抄録集). 94 (1997)
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[Publications] 稲本一夫: "放射線画像医学" 医歯薬出版株式会社, 227 (1997)
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[Publications] 稲本一夫: "放射線画像技術学" 医歯薬出版株式会社, 304 (1997)