1996 Fiscal Year Annual Research Report
標的遺伝子に対する最強の結合能をもつ新しい「アンチセンス核酸」の分子設計
Project/Area Number |
07408014
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
関根 光雄 東京工業大学, 生命理工学部, 助教授 (40111679)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 正英 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (50212858)
和田 猛 東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (90240548)
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Keywords | アンチセンス / コンホメーション / 3′-endo / シクロヌクレオチド / 分子内環状化反応 / 遺伝子治療 / 分子内水素結合 / H-ホスホネートDNA |
Research Abstract |
昨年度まで、塩基部位と5′ーリン酸基との間を共有結合で連結させ立体的に固定したシクロウリジル酸誘導体の合成をおこない、そのコンホメーションが88%というきわめて高い3′-endo比であることが明らかにされた。一方、4′-5′周りのコンホメーションも99%ゴ-シュ+であることがわかっていた。そこで、本年度では、このシクロウリジル酸誘導体をDNAに組み込むため、まず、UmpUの3′下流のウリジンを立体的に固定化し、2量体を構築することを検討した。ここでは、5′上流のウリジンの2′水酸基はメチル化して、このヌクレオシド部位の3′-endoコンホメーションが有利になるように分子設計した。5′上流側のウリジンの5′-DMTr3′-ホスホロジダイト誘導体を別途合成した5-ヒドロキシプロピルウリジンの2′-O-メチル誘導体とテトラゾール存在下反応させたところ、目的の環状構造をもつUpU誘導体を収率よく得ることができた。この保護体を脱保護し、NMRを測定したところ、下流側のウリジンの1′-Hは完全な単一ピークになり、ほとんど100%3′-endoにコンホメーションが固定されていることがわかった。そこで、さらにこの化合物の5′末端にDMTr基、3′末端にホスホロアミダイト基を導入し、DNAの中にこの2量体を組み込み、そのアンチセンス活性を現在検討している。 一方、従来のアンチセンス核酸であるホスホロチオエ-ト型DNAは、R/Sのジアステレオマ-が混在するため、標的遺伝子に対して著しく結合力が異なり、問題であったが、今回R/Sのジアステレオマ-が存在しても、どちらも同様な結合力が期待できるH-ホスホネートDNAの一般的合成法を開発することができた。すなわち、H-ホスホネートDNAは5′あるいは3′末端が未保護の水酸基であると、自己分解しやすいことを見いだし、この末端部位にダミ-となるアルキルリンカーを付けることによって、初めてH-ホスホネートDNAを単離することができた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Mitsuo Sekine et al.: "Studies on Steric and Electronic Control of2′-3′Phosphoryl Migration in 2′-Phosphorylated Oligouridylates" Journal of Organic Chemistry. 61・12. 4087-4100 (1996)
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[Publications] Hiroyuki Tsuruoka et al.: "Synthesis and Structural and Thermodynamic Properties of Oligonucleotides Containing 2′-O-Phosphorylated Ribonucleotides" Tetrahedron Letters. 37・37. 6741-6744 (1996)
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[Publications] Hiroyuki Tsuruoka et al.: "Kinetics and Mechanism of Facile and Selective Dephosphorylation and of 2′-Phosphorylated and 2′-Thiophosphorylated Dinucleotides" Journal of Organic Chemistry. (印刷中).
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[Publications] Shun-ichi Kawahara et al.: "Unprecedented Mild Acid-Catalyzed Desilylation of the 2′-O-tert-Butyldimethylsilyl Group from Chemically Synthesized Oligoribonucleotide Intermediates via Neighboring Group Participation of the Internucleotidic Phosphate Residue" Journal of American Chemical Society. 118・40. 9461-9468 (1996)
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[Publications] Kohji Seio et al.: "Chemical Synthesis and Conformational Properties of a New Cyclouridylic acid Having an Ethylene Bridge between the Uracil 5-Position and 5′-Phosphate Group" Journal of Organic Chemistry. 61・4. 1500-1504 (1996)
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[Publications] Mitsuo Sekine et al.: "The Chemical Synthesis of 5′-Terminal TMG-Capped Triribonucleotide m_3^<2,2,7>G^<5′>pppAmpUmpA of U1RNA" Journal of Organic Chemistry. 61・13. 4412-4422 (1996)