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1996 Fiscal Year Annual Research Report

円偏光を用いたアミノ酸のキラル重合機構の探索による生命の起源への新しいアプローチ

Research Project

Project/Area Number 07409005
Research InstitutionKobe University

Principal Investigator

尼川 大作  神戸大学, 発達科学部, 教授 (70031359)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 蛯名 邦禎  神戸大学, 発達科学部, 助教授 (50151999)
森井 俊行  神戸大学, 発達科学部, 教授 (20031370)
寺門 靖高  神戸大学, 発達科学部, 助教授 (30127378)
上地 真一  神戸大学, 発達科学部, 教授 (40031364)
中川 和道  神戸大学, 発達科学部, 教授 (00134403)
Keywordsアミノ酸キラル重合 / 生命の起源 / 円偏光照射 / シンクロトロン放射
Research Abstract

1.アラニン、アスパラギン酸、フエニルアラニンの蒸着膜を膜制御して作成することに成功した。これにより、真空紫外領域での吸収スペクトルおよびCDスペクトルを定量的に測定することに世界で初めて成功した。
2.上記の吸収スペクトルの絶対値をもとに、原始地球環境下でのアミノ酸の紫外線分解のシナリオを考え、実験を行った。すなわち、干潟でできたアミノ酸固相の紫外線分解実験のモデル系としてフエニルアラニン蒸着膜を、またアミノ酸が原始地球の強い酸性の海で紫外線分解を受けたというモデル系としてフエニルアラニン水溶液(pH=1)を準備し、それぞれに紫外線を照射して分解反応を調べた。
3.その結果、水溶液のアミノ酸からは小さな分子量の分解生成物がクロマトグラフィーで検出されたのにたいし、固相のアミノ酸ではそれらが検出されなかった。このことから、アミノ酸が紫外線分解されてできた小さな分子種は気体の形で固相から抜き取られることが分かった。
4.またL-アスパラギン酸水溶液を紫外線分解したところL-アラニンが、D体からはD体のアラニンのみが生じ、D→LやL→Dといったキラル反転は起きないことが初めて明らかになった。
5.さらに化学進化のシナリオを定量化するため、L-アスパラギン酸水溶液を紫外線分解したさいに生じるL-アラニンの生成量子効率を絶対値測定し、0.17との値を得、このときのアスパラギン酸の光分解量子効率は0.48であることも初めて明らかにした。
6.上記の照射実験とは独立して行った有機化学実験では、アミノ酸重合の初期過程におけるジペチドおよびトリペプチドの加水分解にたいする安定性は、ホモキラリティーをもつものがヘテロキラリティーをもつものよりも著しく安定であるという興味深い結果が得られた。

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Published: 1999-03-08   Modified: 2016-04-21  

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