1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07451004
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
東 英寿 鹿児島大学, 法文学部, 助教授 (90218686)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
連 清吉 鹿児島純心女子大学, 国際言語文化学部, 助教授 (20269145)
中筋 健吉 鹿児島大学, 法文学部, 講師 (30244271)
高津 孝 鹿児島大学, 法文学部, 助教授 (70206770)
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Keywords | 薩摩藩 / 薩摩藩刊行書籍調査表 / 延徳版大学 / 石摺 / 南山俗語考 / 琉球 / 日向 |
Research Abstract |
9年度は、7年度、8年度の調査を踏まえ、薩摩藩で出版された書籍の書誌学的項目をまとめた『薩摩藩刊行書籍調査表』の作成と薩摩藩の出版状況の考察、およびこの三年間の研究の報告書の作成を行った。 『薩摩藩刊行書籍調査表』については、これまでに調査した二百枚のカードを整理してデータ化し、十七の項目を建て一覧表にまとめた。これは報告書に附表という形で加え公表する。また、同時に進行しているそれぞれの研究担当者の薩摩藩の漢籍出版に関する研究については、まず東が日本における朱子学書籍刊行の嚆矢である『延徳版大学』が薩摩で出版されたことに着目し、今日この薩摩の『延徳版大学』が所蔵されている大阪大学懐徳堂文庫での調査を踏まえ、「『延徳版大学』について」(『汲古』第31号)を発表した。また高津は、薩摩藩第二十九代藩主・島津忠義(1840-1897)の時代にはじまる「石摺」と言う出版形態に着目し、尚古集成館での調査を踏まえ、「薩摩石摺考」(『鹿大史学』第45号)として報告した。薩摩藩で出版された中国語の辞書である『南山俗語考』について、この二年間の調査を踏まえ、中筋が十一月に台湾の淡江大学で開催された第二届東亜漢学国際会議で「薩摩藩与漢語-関於漢日辞典『南山俗語考』」と題して研究発表を行った。この成果は、『第二届東亜漢学国際会議論文集』に掲載予定である。連は薩摩と隣接する日向の儒者の研究を積極的に行い、安井息軒、安井小太郎の二人の儒者について論文をまとめ報告書に掲載し発表する。 本年度は最終年度であるので報告書を作成した。これまでの研究の方向性に従い次に4章を立てた。第1章・薩摩の漢字について、第2章・薩摩の漢籍著作物に関して、第3章・薩摩・琉球の出版について、第4章・薩摩・日向の儒者について、である。そして最後に附表として上述の『薩摩藩刊行書籍調査表』を加えた。
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Research Products
(2 results)