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1996 Fiscal Year Annual Research Report

ツォンカパにおける中観哲学の研究

Research Project

Project/Area Number 07451006
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (B)

Research InstitutionOtani University

Principal Investigator

白館 戒雲  大谷大学, 文学部, 助教授 (10179062)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 新井 慧誉  二松学舎大学, 教授 (20101636)
片野 道雄  大谷大学, 文学部, 教授 (20097819)
Keywordsツォンカパ / チャンドラキールティ / 中観帰謬論派 / 無我 / 二諦 / 観 / 菩提道次第小論 / ラムリム
Research Abstract

平成八年度には,引き続き『了義末了義善説心髄』の和訳研究を進めるとともに,『菩提道次第小論』「観」章の和訳研究を『ツォンカパ中観哲学の研究I』として公にした.特に後者はツォンカパ晩年の著作のひとつであるとともに,彼の中観哲学に関する思想が,菩提道を完遂するための哲学的基盤として,よくまとまって示されいるといえる.「観」とは真実の観察の意であるが,『菩提道次第小論』「観」の主要部分は概ね次のような構造をもつ.
我々をして迷いの生存である「輪廻」に縛るものは根源的無知(「無明」)であり,無知とは固定的実体の捏造に他ならない.固定的実体の捏造(「我の増益」)を,個体的実体(「人」)と現象的実体(「法」)との無我を知ることによって否定する.固定的実体の否定を過不足なく,すなわち的確に行うために,世間世俗諦と勝義諦との二重真実説(「二諦」)の正しい理解が要求される.
ツォンカパは,これらの課題をチャンドラキールティ(Candrakirti,七世紀)の中観帰謬論派にしたがって論じている.ツォンカパ(Tsong kha pa,1s357-1419)はチベットを代表する思想家のひとりであるが,ツォンカパにおける中観哲学の研究の重要性は,必ずしもその彼の思想的独自性のみに限定されるのではなく,中観哲学をもって仏教の基本的な体系を構成・提示しているところに在るといえよう.
平成八年度には,前述したように『菩提道次第小論』「観」章の和訳研究を行い,ツォンカパにおける中観哲学とは何を課題とし,何を目指しているのかという最も重要な部分を明らかにした.

  • Research Products

    (4 results)

All Other

All Publications (4 results)

  • [Publications] 白館戒雲: "中観プラーサンギカの否定理証の要綱" 佛教学セミナー. 62. (1)-(19) (1995)

  • [Publications] 白館戒雲: "減諦に関するゲルク派内における異見" 大谷大学学報. 76・1. 21-35 (1996)

  • [Publications] 白館戒雲(ツルテム・ケサン): "チベット文化入門" 中京女子大学アジア文化研究所, 86 (1996)

  • [Publications] 白館戒雲(ツルテム・ケサン): "ツォンカパ中観哲学の研究I" 文栄堂, 300 (1996)

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Published: 1999-03-08   Modified: 2016-04-21  

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