1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07451021
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
苧阪 直行 京都大学, 文学部, 教授 (20113136)
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Keywords | 読み / 日本語 / 眼球運動 / サッケード |
Research Abstract |
日本語テキストの読みの過程を実験心理学的に検討した.読みにおけるサッケード運動の制御過程を眼球運動の移動時間、停留時間などを指標として吟味した.サッケード運動の移動距離がテキストの言語情報により決定されるのではないかという仮定をもとに、有効視野境界領域で検出される単語の意味的、文脈的カテゴリー情報がサッケードに及ぼす影響について検討している.本年は、境界法という新しい読みの実験法を考案してその装置及びソフトを開発中である.この方法は眼球の運動座標をリアルタイムで計算し、サッケード運動直後にプレビュー(読みの有効視野の境界領域)に落ちる単語などの言語情報の意味カテゴリーを変化させる方法である.現在パソコンを用いた装置の試作と刺激提示用パソコンのプログラムを開発中である.試作装置は、赤外線を目に照射した時の眼球表面からの反射光の変化を利用して、目の位置を検出する原理を利用している.ゴ-グル状のものに左右各1個の赤外線の照射、検出を行う装置が目を囲むようにして取り付けられていて水平方向、垂直方向の位置を検出する。プレビュー領域の検出位置にターゲット刺激がくると次のサッケード運動の間に当該刺激が別のものと入れ代わる.したがって、サッケード直後の運動の様相をみることにより上記の影響についての評価が可能となる.
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