1996 Fiscal Year Annual Research Report
幼児・児童の社会的支援体制に関する心理・生態学的研究
Project/Area Number |
07451031
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小嶋 秀夫 名古屋大学, 教育学部, 教授 (30019400)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮川 充司 椙山女学園大学, 文学部, 助教授 (60174132)
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Keywords | 社会的支援 / 小学生 / 学校適応 / 家族成員 / 教師 |
Research Abstract |
子どもの心理的・社会的生活に重要な位置占めるソーシャルサポートの実態とその機能を総合的に調べることがこの研究の目的であった。前研究(Kojima & Miyakawa,1993等)は,級友間のサポートの授受がほぼ同性間に限られていることを見出した。同性だけの学校・学級集団でのサポート関係を調べる本研究では,4〜6年生・各2クラスの女子校の小学生を主対象とし,うち2学年は1年間隔の短期縦断サンプルであった。子どもの社会的世界を構成する家族メンバー,級友,教師,親戚,その他の人々から,子どもが受けるサポートを調べた。とくに級友間でのサポートの授受の実態を詳しく調査した。14項目のソーシャルサポート調査に加えて,自尊感情,孤立感,スクールモラールのインヴェントリ-ほ2学期の終わりから3学期にかけて1年間隔で2回施行した。さらに社交性,向社会性,養護性と学校生活の記録も1回収集した。 級友からのソーシャルサポートの総量は,前研究の結果と大差がなく,性別という心理的・行動的制約の有無にかかわらず,小学生は同じ程度の仲間からのサポートを受けている。同学年別学級の成員からのサポートは学年の進行とともに漸増するのは,毎年行われる学級再編成の蓄積的効果が,5・6年生で明確になるものと解釈した。サポートの授受量間の相関も5年生から高まり,個人の授受量それぞれは1年後にも有意な安定性を示した。これは,クラス替えを経て8〜9カ月経過した時点における,級内でサポートし・サポートされる関係を結ぶ程度の個人差の存在を意味し,それは他の対象から得るサポートと並んで,子どものパーソナリティ,対人的態度,及び学校適応と一貫した結びつきを示していた。級友間でのサポートの非対称行列の詳細な解析も,一般的傾向に加えて特定の子ども間の関係を浮き彫りした。以上の知見と幼児集団での観察結果は,実際の生活場面で交わされるサポートの過程を研究する必要性を強く示唆している。
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