1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07451035
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Shirayuri College |
Principal Investigator |
東 洋 白百合女子大学, 文学部, 教授 (60012548)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
唐澤 真弓 白百合女子大学, 文学部, 助手 (60255940)
宮下 孝広 白百合女子大学, 文学部, 助教授 (00190778)
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Keywords | 目標設定 / 自己効力感 / 行動規範 / 日本的意欲 / 認知 |
Research Abstract |
今年度は総合面接をおこなう予定だったが、その前段階として、日本的意欲の構造を理解するために、3つ研究のそれぞれに関して次のような分析を詳細を行うこととし、成果を上げることができた。 1)目標設定の条件: 学業やその他の努力をするのにあたって、遠目標、近目標、過程目標のどこに重点をおいているかを見出すための面接法について、昨年度のパイロットテストのから検討した。 その結果を踏まえ、日本及びアメリカの大学生各30人に、現在の目標、7年後、20年後の自分状況に関する自由記述を求め、目標が将来どの時期まで明確になっていたかの個人差・文化差について調べた。 2)Agency beliefと効力感: 昨年度実施した高校生版CAMI質問紙について、分析を行った。その結果、日本においては他者からの信頼、教師との関係が、子どもの意欲と自己認知に強く関係していることが見い出された。この結果を8月の国際行動発達学会で発表した。その後、このテストの欧米での実施を検討し、翻訳を行っている。 3)行動規範: 行動規範のなかでも、特に自己批判的傾向について調査を実施した。大学生94名を対象に、過去一年を振り返って最も印象に残っている経験を記述するように求め、その内容分析をしたところ、「ある一定の障害や失敗が生じたものの、そこから結果的には良い何物かが得られた」という構成を持つストーリーが非常に多く挙げられることを見いだした。この結果は、日本における自己向上が自己批判的傾向に支えられていることを示唆している。この一部は3月の発達心理学会で発表する。そこで、自己向上、動機づけと自己批判傾向の関係を見るために、TATを従属変数とした実験のパイロットテストを行い、検討中である。
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