1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07451055
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
高津 等 龍谷大学, 社会学部, 教授 (00086159)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西光 義秀 龍谷大学, 社会学部, 講師 (50247821)
高島 昌二 龍谷大学, 社会学部, 教授 (10023962)
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Keywords | 町内会 / 環境保護機能 / 実態調査研究 / 11市町 / アンケート調査 / 事例研究 / 対外的抵抗運動 / NIMBY |
Research Abstract |
調査は、高山市、滋賀県日野町、富士市、沼津市、尼崎市、函館市、那覇市、糸満市、田辺市、加賀市、宇治市にたいしてなされた。 このうち宇治市を除く10市町については、町内会長へのアンケート調査と事例研究を併用した。そのアンケート調査の中で、町内会長の任務として最重要と思われるもの一つを選んでもらった。回答でもっとも多かったのは、日野町、尼崎市、糸満市では(1)「役場と住民との間の連絡調整」、他の7市では、(3)「住民が住みやすいように地区の環境を守る」であった。残る選択肢は、(4)「住民を代表して外部と交渉し、住民の苦情を処理する」と、(2)「祭りなどの伝統的行事を守る」であるが、(2)を最重要としている町内会はほとんどなかった。尼崎市で(1)が最重要とされている理由について、市の職員の説明では、阪神大震災の影響があるとされている。 アンケート調査票の最後に、外因的環境問題にたいする抵抗運動の経験があるかないかを尋ねてみた。その経験をもつ自治会はどこでも1割程度あるいはそれ以下で、問題の内容はさまざまであるが、公害一般に反対するのではなく、公害源がどこか他へ移ればよいとする、いわゆるNIMBYの考えかたはだいたい共通している。しかし、その抵抗が各地でなされることによって、公害源が自主規制をすることになれば、町内会全体として環境の保護作用をすることになるであろう。
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