1996 Fiscal Year Annual Research Report
障害児のダイナミック・アセスメントと認知発達教育プログラムの開発
Project/Area Number |
07451071
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | National Institute of Special Needs Education |
Principal Investigator |
大城 英名 国立特殊教育総合研究所, 視覚障害教育研究部, 主任研究官 (80185256)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 章 国立特殊教育総合研究所, 肢体不自由教育研究部, 主任研究官 (50175080)
篠原 吉徳 筑波大学, 心身障害学系, 助教授 (10150054)
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Keywords | 障害児 / ダイナミック・アセスメント / 認知発達 / 教育プログラム / 質的分析 / 情報処理スピード / 触覚 / 触読方略 |
Research Abstract |
■盲児用触覚学習能力アセスメント・テストの開発: 盲児の触覚学習能力を評価するために、次の2種類の動作性テストを作成し、作年度に引き続きデータの収集および分析を行った。(1)触覚による情報処理スピード・テスト(STIP):このテストは、6〜17才までの盲児童生徒の触覚情報処理スピードを客観的に評価することを目的としている。現在、その標準化のためのデータの収集が行われている。(2)盲児用触覚学習適性検査(BLAT):この検査は触覚学習能力の適性・受容性・可能性を評価することを目的にしている。このテストは、盲児の触覚学習能力の異なった機能局面を評価するために6つのサブ・グループから構成されている。 今回、上述の2種類のテストのデータを分析した結果、以下のような知見が得られた。(1)STIPテストとBLATによる触覚学習能力には一定の相関がみられた。すなわち、触覚情報処理スピードの速い生徒は、BLATの触覚学習能力も高いことが示された。(2)触覚情報処理スピード・テストに関して、図形版と点字版の処理スピードには高い相関がみられた。すなわち、図形版の処理速度の速い生徒は、点字版の処理速度も速いことが示された。(3)触覚情報処理スピードと点字の触イメージの反応パターンの関係において、点字1マスを左右に分離する触イメージの反応パターンを示す群と点字1マスを図形的に一体化する反応パターンを示す群の触覚情報処理スシ-ド・テストにおける処理スピードに有意差は認められなかった。すなわち、点字の触イメージの反応パターンによって触覚情報処理スピードが異なるということはみられない、ということが示された。(4)BLATによる触覚学習発達指数とWISC-RのVIQには高い相関がみられた。(5)BLATによる触覚学習発達指数をアメリカ、イギリスのデータと比較した結果、文化的影響の少ないことが示された。
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[Publications] 大城英名: "触覚による情報処理スピード(1)" 日本特殊教育学会第34回大会論文集. 22-23 (1996)
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[Publications] 大城英名: "触覚による情報処理スピード(2)" 日本教育心理学会第39回大会論文集. (1997)
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[Publications] 大城英名: "触覚による情報処理スピード(3)" 日本特殊教育学会第35回大会論文集. (1997)