1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07451090
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo National Museum |
Principal Investigator |
高浜 秀 東京国立博物館, 学芸部・東洋課, 中国考古室長 (60000353)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷 豊信 東京国立博物館, 学芸部・東洋課, 主任研究官 (70171824)
早乙女 雅博 東京国立博物館, 学芸部・東洋課, 北東アジア室長 (80150035)
平尾 良光 東京国立文化財研究所, 保存科学部, 化学研究室長 (40082812)
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Keywords | オルドス / 青銅器 / 遊牧民 / スキタイ / 匈奴 |
Research Abstract |
東京近郊、九州および兵庫県に資料調査旅行を行うとともに、海外研修旅行や海外出張などの機会を利用して、中国における発掘品を含むかなりの数の資料を調査することができた。これらの資料を代表者がこれまでに集めた資料と併せて、補助員を使って整理している。世界における収集の状況をかなり把握でき、今までに知られている種類・型式の多くの部分を調査できたと考える。 また東京国立博物館所蔵の刀子を主とする資料60点を用い、蛍光X線による非破壊分析をおこなって化学組成を測定した。これだけまとまった数の資料の分析はこれまでに国内ではなされておらず、今後の研究の基礎となりうると思われる。分析の結果、中国の古代青銅器に普通見られる銅、錫、鉛からなる組成とは異なる組成をもつものが多く認められた。この地域の青銅器の特殊性と複雑さを示している。来年度には、東京国立文化財研究所に新たに設置される機械を使い、さらに精密な測定を継続するとともに、鉛同位体の測定をも行う予定である。定住民とは異なり遊牧民の場合は、青銅器を製作した工房の差まで明らかになるかどうか疑問ではあるが、せめて時代や地域性を示す特徴を発見できることを期待している。また分析の結果をシベリアや中国における分析結果と照合して、型式だけでなく、化学組成の面でもなんらかの影響関係がみられるかどうか考察したい。
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