1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07451090
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Research Institution | TOKYO NATIONAL MUSEUM |
Principal Investigator |
高浜 秀 東京国立博物館, 学芸部東洋課, 中国考古室長 (60000353)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷 豊信 東京国立博物館, 学芸部東洋課, 北東アジア室長 (70171824)
平尾 良光 東京国立文化財研究所, 保存科学部, 化学研究室長 (40082812)
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Keywords | オルドス / 青銅器 / 中国 / 北方 / 鉛 / 同位体 / 匈奴 / 遊牧民 |
Research Abstract |
平成9年3月25日から6月22日まで横浜の馬の博物館と東京国立博物館の二つの会場において開催された展覧会「大草原の騎馬民族-中国北方の青銅器」の際に、日本に収蔵されている資料だけでなく、欧米にあるものや中国における新出土品などについても、多くの写真や図などを作成することができた。またそれに続いて6月末から7月初めにかけて米国に出張した際にも、幾つかの資料を調査することができた。さらに7月後半から8月にかけてモンゴル国へ旅行する機会があったが、その時に調査した資料も、中国北方系青銅器を考える参考資料として非常に意味のあるものである。東京近辺や関西の収蔵家の持つ資料の調査も引き続き行った。これらの資料の写真や図を今まで蓄積したものと併せて、補助員を使い種類別、所有者別に整理している。 前年度に引き続き、東京国立博物館所蔵の資料や個人所蔵の資料を用いて蛍光X線による非破壊分析を行い、化学組成を測定した。測定した資料は計180点ほどになり、現在その結果の評価を行っている。そのうちのあるものについては前年度に続いて鉛同位体比の測定を行った。測定数は計50点を越えているが、これほど多くの中国北方系青銅器の鉛同位体比が測定されたことは世界的に見ても初めてである。この測定から、中国北方系青銅器のあるものは中国青銅器とほぼ同様の鉛を使って作られたこと、しかし商代の北方系青銅器には異なる地域で産出した鉛を使ったものがあることが明らかになった。
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