Research Abstract |
明治以降,昭和20年までに活躍した国文学研究者のフ-ズフ-を作成するための調査研究を引き続き実施した。調査項目は,姓名とその読み,別名,生没年月日,出身地,学歴,師,享年,専門分野,主要論文,主要業績,備考からなる。前年度にはほぼ200名に近いデータ網羅的に収集し,これを開発した入力システムによって機械化登録したが,今年度はさらに1,000強の人名データを追加した。そのうち,前記の生没年や主要業績等の各項目までなんらかのまとまったデータを整備した人名は約300件であり,あとはランダムな人名の採取にとどまっている段階である。 今年度主としてデータ採取の源泉としたのは,「現代日本朝日人物事典」(1990年刊)および大空社刊「雑誌索引-戦前雑誌記事索引-」1巻〜4巻であり,この他,旧制高校などの国語教師なども若干採取しえた。他に論文などで引用された研究者名や,論文名を随時登録している。明治以降,昭和20年までの国文学研究者の総数を約2,000名内外と見通して出発したが,この数が若干減少するか,増大するかは,調査対象となる資料を最終的にどこまでカバーできるか否かによって変動する可能性がある。最終年度にあたる次年度には,入手できる範囲の明治期,大正期などの古い人名録などに当たり,新規人名の収集とともに,既入力の分に関するデータ追加を行うが,本研究のような国文学者に限定した人名事典の作成は初めての試みであり,とりあえず基礎的調査とせざるを得ないのも,その辺に事情がある。より完備された国文学者総覧は,さらに数年の長いスパーンで続行する必要があろう。
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